カテゴリー: Q&A

「考具」を中心とする拙著の読者みなさん、そして「ワークショップ・考具」「アイデア・バイブル ワークショップ ミニ&プラス」からいただいたご質問にお答えします。
もう10年以上やってるので、実はいくつか「被り」もあります。あしからず・・・。

Q017:自分のアイデアを批判されると反撃してしまうのです。

Q:自分のアイデアを批判されると反撃してしまうのです。
「ブレストの上手なやり方」について教えて下さい。(私がアイデアを出した側の人間とした場合)
本の中でもおっしゃっている通り、ブレストをしているといつのまにか「批判会議」になってしまいます。
私は気が強いほうなので、自分のアイデアに対し「批判」めいたことを言われるとすぐにむっとして、
それがたとえよい意見だったとしてもシャットアウトして「批判返し!」をしてしまうのです。「ああ、しまった! もったいないことをした」と思うのは、いつもブレストが終了した時点。会議の雰囲気もかなり悪い感じ…。後悔先に立たず…。もう後悔はしたくありません。批判めいたことを言われたときの上手い受け方、ブレスト中のその場での返し方、受け方を教えて下さい。
 (大阪府・ととほ娘さん)

A:
ブレストは本当に運用が六つかしいです。
おっしゃるとおり、アイデアキラーになってしまう人がたくさんいますし、アイデアがいい悪いを議論するという本筋を外してしまうこともあるでしょうね。

まずは心持ちから。ほとんど場合、自分の出したアイデアそのままに最終的なアウトプットまで行き着くことは少ないと思います。変更が出るのは実作業中が多くなるでしょうが、会議も一緒。妥協の産物になってはダメなんでしょうが、他の人を乗り越えられないアイデアはチカラがない、と考えてみてはいかがでしょう? 文句を付けているだけのように思える場合もありますが、そのアイデアが世に出たときには同じように考える人もまたいる、のです。たぶん。
少なくとも自分からは批判をしない。他人さまのいうことを受け入れる=肯定してください(賛成しなくてもいいです)。まずはここから。「返さない」って感じです。

とはいえ、これはそれなりに修行? も必要ですのでやや即効性のありそうなアイデアも一つ。ブレストが云い合いになってしまうのは
「アイデアと発言者が一体となっている」ところに問題があるのでは、と考えるようになりました(Notes 03/09/16参照)。発言そのものと発言者はやっぱり切り離しておきましょう。ベースとしてお勧めしたいのは、自分のアイデアを紙にしておくこと。1案1枚。打ち合わせでは、その紙をテーブルの上に広げます。そうすると、全員の視線は紙の上に書かれたもの、すなわちアイデアそのものに向かうようになります。ついでに誰かが云ったことも、紙に走り書きしてテーブルに置く。話しているうちに思いついた新しいアイデアもですね。云ってみればブレストの速記です。自分が反論する場合でも同じで、「意見を言った人」ではなく、「机の上におかれたアイデアへの意見」に《反論》する感じになると、結構いけます。発言を「聞くもの」から「見る(読む)もの」へ転換してしまうと少なくとも人格攻撃にはなりにくくなる、というわけです。お試しあれ。
   (かとうまさはる) 

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Q016:マンダラは全部のセルを埋めないとダメですか?

Q:マンダラは全部のセルを埋めないとダメですか?
マンダラートをやろうとしてもセルを8つ全部埋めるのが苦しいときがあるのですが、やっぱり全部埋めないとダメなのでしょうか?
 (Iさん)

A:
道具って、最初からフルに使いこなすことはなかなかできません。
例えばパソコンのアプリケーション。ワープロにしても表計算にしても、その機能をフルに使っていることなんて早々ありませんよね? とまずは考えて、気楽に使ってみましょう
もちろん8つのセルが埋まるのが理想的ですけども、6つでもいいじゃないですか。もし、真っ白な紙を使っていたら3つしか出てこなかったかも知れないですね?
それがマンダラを使うことで6つも出たなら「2倍」です。
あるいは、マンダラでも3つしか埋まらなくてもそのうちの1つのセルからさらにマンダラが展開できて、そっちで8つ出てくれば 3+8=11。単なる白い紙を使用した場合との「生産性」を想像してみてください。道具があると楽チンになるんですね。そして道具を使うことの目的はマンダラが埋まることではなくて、何かいいアイデア・企画が出てくることです。途中過程が3つでも6つでもいいじゃないですか。最初はこんな調子でスタートして好いと思います。とか何とか云って、あれこれやってるうちにすぐ8つじゃ足りなくなりますから大丈夫!? です。
  (かとうまさはる) 

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Q015:カラーバス、がよく分からない・・

Q:カラーバス、がよく分からない・・
カラーバスで、「自分の決めた色を見る」のは分かるんですが・・
それで見つけたものをどうやってアイデアのネタにするんでしょうか?
  (Tさん)

A:
カラーバスで見つけたアイテムをどうやって「処理」するか。
人それぞれなんですが、例えばこんなヒントはどうでしょうか?

ヒント1
そのアイテムを「記憶をたどる触媒」として使う。アイデアを考えていく際には、自分のアタマの中で「既存の要素のぶつかり合い」が必要になります。カラーバスで見つけたアイテムがそのままぶつかってくれれば単純にOK。そうでもない場合は、カラーバスアイテムから連想されたもの、あるいはそれがきっかけとなってよみがえってきた記憶が、ぶつかってくれればそれでいい。つまりカラーバスアイテムを見なければ思い出さなかった記憶を引っ張り出すための触媒です。カラーバス+連想ゲームの合わせ技ですね。

ヒント2
カラーバスアイテムから見つけるネタを「ずらす」。例えば『考具』の48・49pでは、サンプルとしてゴミ箱を取り上げていますが、そのアイテムをゴミ箱と見るだけではなく「大きな缶(型の物体)」とみる。あるいは「スリットがたくさん」とアイテムの一部だけを取り出してみる。そんなやり方をしてみると、一つのアイテムには本当にたくさんの見方(取り出し方)があることに気づきます。同ページのバイクの写真から灰皿に注目してみるのも同じパターン。人間はすぐ物体を抽象化して把握してしまいます。すると概念しかアタマに残りませんから、違う見方をすることが急に六つかしくなります。

アイテムを視覚情報としてまず見てみることで、かえって違う情報の切り出しが可能になる、ということみたいです。

他にもヒントがあると思いますが、まずはこんなところをお試しあれ。
  (かとうまさはる)

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Q014:苦しんだ方がいいアイデアが浮かびますか?

Q:苦しんだ方がいいアイデアが浮かびますか?
ここんところ、アイデアに関してはちょいスランプ気味なのでご質問したいのですが、加藤さんはアイデアを出す時、苦しんだ方がいいアイデアがが浮かびますか? それとも楽しんだ方がいいアイデアってでますか? 僕はけっこう苦しんでしまう方なのですが、加藤さんなりの楽しみ方っていうか、そういうのがあったら教えていただければ幸いです。
 (大阪・Tさん)

A:
こんにちは。暑いですね。大阪も暑そうです。知人は「大阪は熱い」って云ってます。
さて本題。アイデアの量が出てくるようになると、当然のことながら質が上がってきます。質、というのは「すばらしい」ということに限らず
「ぴったりの」「関係者がなるほど、と賛同してくれる」という意味においてです。繰り返しになりますが、全世界的に新しくなくてもいい、ってことですね。そうなるとアイデアをもらう方も選球眼が良くなってきますから、要求されるレベルも上がる。アイデアそのものは結構「出る」んだけども、「これや!」と膝を打つようなのがなかなかこない・・。
スランプ、とおっしゃっているのはそんな感じでしょうか?

苦しんだ方がいいかどうか? そりゃあ・・楽しい方がいいと思います。
ただし「苦しい、という自分が楽しい」と感じるタイプの方もたくさんいらっしゃいます。
Tさんがどちらのタイプかは分かりません(笑)。かとう自身のあくまでも個人的なケースですが、なっかなか良きアイデアが出てこないときには
「必ず答えはある」(一般的に)
「少なくとも採用される企画がある」(競合プレゼンの場合)
と実際に口に出すようにしています。ブツブツ独り言を云います。全世界的に・・最適かどうかは謎ですが、少なくともその時点でベストだ、と判断されるアイデア・企画があるはずだ、と。『アイデアのヒント』にもそんな話が出てきますのでご参考まで。

もう一つ。出てきたアイデアを自分で「すぐには殺さない」ようにはしています。つまらないアイデアは、恥ずかしくて即取り下げたくなるのですが、そうしないでみてください。明らかにつまんない時でも、「お、なんか広がんないかな」「延長線上にないかな」
ともう少し先まで芋づるでたぐろうとするイメージです。100%ポジティブで居続けることはかなり六つかしいのですが、だんだんそっちの方向になるといいのではないでしょうか。かとうも途上です。この辺が「自然な習慣」になると強いんでしょうね。
 (かとうまさはる)

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Q013:「使う人」を誰にするか?

Q:「使う人」を誰にするか?
とても漠然とした例え話で恐縮ですが、あるモデルハウスのパンフレットを制作する場合、「使う人の気持ちになって考える」その「使う人」とは
物件を売るセールスマンでしょうか、物件を買うお客さんでしょうか?
  (Mさん)

A:
まず「パンフレット単体で考えることがNG!」です。
詳細は下記参考図書をお読みいただきたいのですが、ものを売る、といった時には「仕組み」があること。これが大事です。
大きくは
1)「集客」(見込み客集め)→
2)「セールス」(見込み客の顧客化)→3)「CS」(顧客のリピーター化)

さらにそれぞれの中でも「(小さな)仕組みの鎖」が必要になります。ここでいう「仕組みの鎖」とは、「それをすることでお客さまがどのように感じ、行動するのか」
「そうした行動がチェーン(鎖)になっている」
こんなつながりがデザインされていることです。

さあ、この視点から上記のご質問を再点検してみましょうか。お分かりのように、お客さまがパンフレットを読んで、次に何をして欲しいのか? 営業マンは、このパンフをどういった場面で、何のために使うのか?
という「仕組み」の全体像と、その中でのパンフレットの役割が不明です。ここらを考える/デザインすることから再スタートです。パンフの役割=目的を把握できたら・・答えは明らかですよね? ちなみにこの辺までが戦略的な話。では目的を達成するために、パンフレットの編集・表現をどうしよう? が戦術、です。このシンプルな仕組みの存在に気が付くまでいったい何年かかったことやら・・とほほ。
  (かとうまさはる)

◇参考図書

『あなたの会社が90日で儲かる!』 神田昌典著・フォレスト出版
『「儲け」を生み出す「悦び」の方程式』 小阪裕司著・PHP研究所

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Q012:ネーミング開発に考具をどう使う?

Q:ネーミング開発に考具をどう使う?
はじめまして。私は企業法務の人間です。その中で私は商標出願スクリーニング・申請・登録を行ってます。今回「考具」に注目したのはずばり、「ネーミング発想法」のヒントを得ることにありました。商標はカタカナ・英文字はまず疑ってかからないと、登録できないことはご承知のとおりです。出願しようとする名前を、手前の段階で何とか類似にならない名前にしないと・・・という切実感から、この本を手に取りました。加藤さんが『考具』をネーミング発想に活用するとするなら、どうしますか?

私は現場にいません。困ったときのアドバイザーという立場です。私の立場からネーミングを考える場合、どうしても商品企画そのものを一からやり直す必要がありました。ネーミング発想の書籍を紐解いても、ネーミングコンセプトをまとめることが一番の近道であると感じてます。ネーミングコンセプトをまとめること=商品企画を考えることと、勝手に結論付けてます。
でもこのやり方だとどうしても時間がかかりすぎてしまいます。そのあたり、近道はないものでしょうか・・・? また、ネーミングもあらぬ方向に行ってしまいそうな気がしてなりません(というか、いってしまいました)。この場合は問いの立て方が悪いのでしょうか?
ネーミング発想特有の問題?
謎は深まるばかりです。
  (Aさん) ※ところどころ省略しています

A:
ネーミング候補を考え始める前に、2つの「しばり」をつくってみてはいかがでしょうか。

その1 スタート時のしばり(展開に際してのしばり)
その2 ゴール時のしばり(収束に際してのしばり)

最初にこの2つをやってから、ネーミング案出しをする。その1 はネーミング候補の源泉をいくつかにしぼること。「開発に至る背景物語」「開発者の熱情」「商品の機能」「商品の特長」「競合商品との決定的な違い」といった本質的なものから、「かっこいい」「横文字」など、軽いものまで、いくつもあると思います。一度それらを総ざらいして、みなで議論。
「これこれからネーミングを考えていこう」という出発点(イコール戻れる原点)を決めてみる。拡げて絞る課程においては考具が役に立つでしょう。続いてその2。
拡がったネーミング候補を絞り込んでいくときの条件も最初に設定してみる。その1、で挙げたものも含めて、「覚えやすい」「ゴロがいい」など。
ぜひ検討して欲しいのが「ユーザーが使ってみてなんて云うか」。七色いんこ、してください。名は体を表す、ということで「パッと聞いて想像できるか」「使ってみて、名前と合ってるね、とうなずけるか」。そんな視点も加えてみてはどうでしょうか。意外な盲点です。

Aさんの本業である「商標登録を通るか」もその2、の重要な条件ですが、これは実際に問い合わせてみないと分かりません。海外事例までは無理ですが、日本国内であれば特許庁のHPである程度のチェックは可能です。最初からおびえるのは止めましょう! アイデア、企画は「わがまま → 思いやり」ですから、まずは「自分たちが一番いいと思う名前」から始めたらどうでしょう?

その1&その2を最初に(ある程度であっても)絞っておけると、アイデアが爆発すると思います。
水道ホースよろしく、出口が狭い方が勢いよく出てきます。ネーミング候補案じたいの展開の仕方は、まさに考具のフル出動。お気に入りを総動員して、徹底的に出しまくりましょう。いろいろネーミング案を出しながらも、着地点もちらりと視界に入っている。そんな感じで作業を進めてみてください。プロダクトを作る側のこだわりと、それを使うユーザー側の気持ちがバランス良く配分されるのではないでしょうか?

そしておそらく、その1&その2を議論していくと、その結論が「マーケティング上の商品コンセプト」にかなり近くなるはずです。本当なら「商品コンセプト」→「ネーミング」でしょうけれども、こんな調子でごった煮で固まっていく、そしてある一瞬に「これだ!」
(あるいは「これや!」)・・・みんながウンウンと頷く答えが共有される・・・ちょっと美しすぎますか?(笑)
  (かとうまさはる) 

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Q:011 どうやって現場を取材する?

Q:どうやって現場を取材する?

(前略)
ところで質問なのですが考具その6の"臨時新聞記者"で臨時の「新聞記者」になって、現場に行き取材をするという箇所なのですが。
私も現場に行って、取材をすることは大事であることは分かるのですが、新規事業を開発するために現場に取材することって、言うなれば既存事業の方にお話に伺うことですよね。

既存事業の人にしてみたら、ライバル会社になるかもしれない人にそう簡単にあれこれ教えてくれないのですが。
例えば、広告事業を新規事業として検討する時に、既存の広告会社にお話を聞きに行っても教えてくれないと思うのです。
そういう場合、何か現場を知るための極意みたいなのはありますでしょうか?
(熊本のSさん)

A:
取材の妙。確かに六つかしいです。
決定版のゴールデンルールはないと思います。
新聞記者さんが事件取材で疑惑の渦中にいる本人へコメントを取りに行くのは「取材の最後」である、と聞いたことがあります。
それまでに既存情報や周辺の取材を行い、自らの仮説や、聞くべき質問のポイントを絞り込んでから、本人のところに行く。
長々とした返事ではなく、自分の仮説を「・・ですね?」とぶつけて、YES/NOだけを聞く。そんなイメージ。

なので既存事業のライバルからあれこれ全てを聞くのではなく、ひとつか二つを絞って聞く、なんてのはどうでしょうか。
オープンになっている情報からも得るもの/自分や自社が知らなかったことも多いと思うのです。

また、他の現場から自分が必要としている本質的な情報が得られることはありませんか? 自社にとっての「新しい」が他業態にゴロゴロしていることは結構あるはずです。脇見する視点もお持ちください。

斉藤孝さんの『質問力−話し上手はここがちがう』(筑摩書房)には、優れたインタビューのケーススタディが載っています。
取材力をつけよう、と思われる方、ぜひ参考にしてください。
(かとうまさはる)

Q010:頭の「効果的な休め方」は?

Q:頭の「効果的な休め方」は?
よいアイディアを出す為には、一生懸命考え続ける事も必要かとは思いますが、その逆に、頭を「効果的に休める」必要もあると思うのですが、何か普段から行なわれている「休め方」はありますか?
 (Mさん)

A:
アイデアに関する多くの書物では「いったん忘れる」とよく書いてあります。
ただそれは「あえて意識をしない」ということであって、無意識の領域では頭は常に回転している、ということなのでしょう。

頭の休め方=その問題を顕在意識から追い払う方法、としてみると、ほんとうにいろんなやり方があることに気が付きます。ぼーっとする、という超・基本形。趣味に打ち込む、他のことをする・・人それぞれですね。かとうの個人的な話をすると、「歌を歌うこと」です。カラオケではなく、自宅のお風呂の中、あるいは車を運転しながら歌いまくってます。最近流行の「脳」に関する書物によると、頭は使えば使うほどいいみたいです
なので休める、というよりも「他のことで使う」と捉えた方がより正解に近いのかも知れませんね。
  (かとうまさはる)

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Q009:加藤さんは何年ぐらいでほぐれました?

Q:
私も加藤さんと同じく広告業界におりまして、プランナーの仕事をしていました。本にも書かれているように、入社当時はただの人で、大変企画には苦労しました。(中略)
私も質を求めるなら、量をこなすしかないと思います。「こうすればきょうから企画マン」なんてことはあり得ません。さまざまな発想法がありますが、あれはプロが行き詰まったときに使う道具で、きのうまで素人だった人が使っても、使いこなせるものではありません。そこははっきり言った方がよいと思いますが、いかがでしょうか。
加藤さんは何年くらいでほぐれました?

ちなみに私は3年かかりました。
  (名古屋のKさん)

A:
仕事に限らず、物事が上達するにはあるポイントがあるんだと思います。
上達度合いをグラフにすると、直線ではなく、階段状。
ある閾値を超えると、ぐぐっと上達したのを自分で実感できるんでしょうね。スポーツとか部活動、あるいは受験勉強だと、「試合」に出るまでに半年とか1年とかの準備期間があってなんとかなるんですけど、仕事は「毎日が試合」なので、その辺が苦しいところですね。考えることを意識することの「決意」と「実践」とが重要で、
素人でもなんでも、いろいろ使っている(これが六つかしい!)うちに
「勘所」が分かってくるのではないでしょうか(いつの間に階段を上っていた感じ?)。それまでに何年かかるか? かとうは気付くのが遅く、5-6年かかってます。遅すぎる、ということはないと思っています(笑)。
  (かとうまさはる)

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Q008:プランニング、プレゼンにもいろいろな型があるのだと・・

Q:
せっかくですから、"?"に対して、引用を以て返歌してみます

一昨日読み終えた「古風堂々数学者」(藤原正彦)に言うように、「合理精神が誤りなのではない。万全でないということである。…実は、最も大事なものの多くが、論理的に説明できない」と思っています。ですから、合理的に推論できることは(どーせ、知れているのだから)ドンドンやってしまうべし、と私は考えています。

昨年読み始めて中断している「知性の構造」(西部邁)においても、「感情による推論は合理的な推論と等価である。
…どの命題を実際に導き出すのか、そこに感情が介在するのである。
…関心はつねに感情的なものである」とあります。したがって、もし「合理的になりすぎて」しまっていると思ったのであれば、
それは、当初の感情が実は凄烈なものでなかったか、抱いた関心自体が凡庸だったのだろうと考えることにしています。
英雄ライオン型のリーダーシップもある一方静かな羊飼い型のリーダーシップもあるように、
プランニング、プレゼンテーションにも、いろいろな型、流儀があるのだと思いますが、いかがでしょうか。
   (Jさん)

A:
プランニング、プレゼンテーション、その他の知的活動
すべてにおいての「絶対的な型」はないのだろうとは思います。
武道、茶道などの「道」ものにしても基本的には分裂傾向にあるわけですし。なので自分にとってのベストな手法を取れればいいのでは、と思います。ベスト、というのには2つの視点があるつもり。
1)その時期に
2)その都度に  の2つ。実際の業務、を考えるといくつかの手法を知っていて、場合によっての使い分けができる方がいいのかも知れません。根拠レスですが、ある一つの手法に固執することは
(日本の?)サラリーマン社会ではマッチしない時もあるような気がします。
  (かとうまさはる)

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Q007:フォトリーディングの習得法は?

Q:フォトリーディングの習得法は?
考具その5フォトリーディングについての質問です。加藤さんは、本書で推奨なさっている
「あなたもいままでの10倍速く本が読める」という本1冊のみで
「1ページ1秒」速読を体得なさりましたか?
その他、講習会なども利用なさったのでしょうか?
  (S根さん)

A:
フォトリーディングのインストラクターを専門にされている方がいらっしゃいますので、あくまでもかとうの個人談をお話しします。最初は本から入りました。もともと神田昌典さんの本には親しんでましたし、本を早く読むことには興味津々でしたので持ってこいの本ではありました。読んだだけでは勝手が分からず、無料ビデオテープも申し込み。これ、「うっそでしょうよ!」と思うほどでした。参加者インタビューでみんながみんな絶賛しているんです。印刷だったら全否定ですけども、映像、しかもどう見ても素人さん。素人が嘘を言っているかどうかは見れば分かりますから、余計に「本当かも? でもなあ・・うーん・・」と相当悩んだのですが、カセットテープ版の講習を購入。これはまじめに聞きました。理屈的なものを含めて、確かに確かに、
と思わせるテープ講義で納得して聞き続けました。テープ×8本です。

終了後、そのままフォトリーディング環境に突入。数ヶ月ほど続けていました。ただしマインドマップはほとんど書きませんでした。基本的にはそれで十分だと思っていたのですが
神田さんが講師をするセミナーの案内をもらいまして、フォトリーディングよりは神田さん本人に会えるチャンスだと思って参加。3日間のセミナーは七田チャイルドアカデミーの存在を知ったり、参加された方と夜遊びに行ったりで、意味ありました。もちろん、フォトリーディングスキルもアップ。
ついでにアメリカ型のセミナー運営スキルを垣間見られたのも収穫。それからは効果を疑うことなく、実践しています。マインドマップも書くようになりました。手書きをスキャニング→PDFファイルにしています。

とはいっても全ての本をフォトリーディングしているわけではありません。手に取るなりガーッと読み飛ばしてしまうのもあります。読むスピード自体はかなり上がりました。払っただけの元は取った感じがしてます。仕事上、結構な資料を読まないといけないことも多いので、重宝してますね。
最近速読本がかなり出てきていますが、立ち読みする限りでは
やはり「眼球の動かし方をトレーニングする」ものが多いと思います。フォトリーディングはその必要はナシ。その分取っつきやすいでしょう。しかし、なんといっても「本を読む=本から自分にとって必要な情報を探す」というパラダイム変換の方が刺激的でした。・・・というのが、かとう自身のフォトリーディングへの評価です。

余談ですが、このあたりから自分の人生がもう一段変わった気がしています。「うさんくさいことをやってみる」自分になったのは大きな変化。その意味でもこの手法に出会えたことには感謝しています。ちょっと長くなりましたが、こんな調子でした。もし、どうしようか迷っているなら、ぜひトライしてみてください。「やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい」と心底思います。
  (かとうまさはる)

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Q006:かとうが感心した名コピー?

Q:かとうが感心した名コピー?
加藤さんが今までで、感心してしまった
名コピー、名ネーミング、などございましたらご紹介していただければ幸いです。著作権等の問題があって難しいでしょうか・・・
  (大阪府 Tさん)

A:
いろいろありすぎて。広告系のコピーライターはもちろんですが、名経営者も名コピーライターです。
コピーとして洗練されていなくとも、記憶に残るコトバやフレーズがあります。そういうのが「社内流行語」になったりすると、強いですね。Tさんの会社ではどうでしょうか?
  (かとうまさはる)

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Q005:「絞る」がうまくいきません!

Q:
ご紹介なさっている「マンダラート」や「マインドマップ」などで展開はできるのですが、その後の「絞る」の段階が未だにうまくいきません。元々メモを頻繁に取るほうで、アイディアの羅列などはスグに出てきます。それを拡げて拡げて・・・どこまでも行ってしまったっきり帰ってきません(笑)。

収束の方法として、4章で取り上げられている「5W1H」は理解実践はできるのですが、その先に進まず頭の中はグルグル回転してしまいます。(中略)

「考具」では「拡げる」3章と「まとめる」4章とではだいぶボリュームが違っています。ぜひ次回では4章の部分をもっと詳しくご紹介していただきたいと切に願っております。
  (Y葉さん)

A:
むむむ。よーく分かります、そのご質問。
実は、かとうも「まとめる」の苦手です(笑)
それが、原稿のボリュームにいみじくも現れていますね・・(再笑)

とは云いながらも最初は「拡げまくること」が必要になるので、まずは展開を重視した構成にしました。拡げられないと、片づけられません。
・・・と考えると、ある意味で「贅沢な悩み」とも云えるでしょうか?

さて、お問い合わせの「まとめる」です。おそらくご質問には2種類の「まとめる」が含まれていると拝察します。
1)アイデアを企画にまとめる =後半部分(4章問題)。
2)いくつか出てきた企画(アイデア)を取捨選択する =前半部分。

今回は 2)を行きます。1)は時間ください(苦手分野です)。多分Y葉さんは、生まれてきたアイデアをなんとか生かそう生かそうとされているのではないでしょうか。それ、もったいないのですが・・諦めませんか。しっくりこないアイデアは捨ててください。または次回まで取っておきましょう。かとうの実際の仕事上では明文化されていない基準と、さまざまな制限があるので半ば自動的に取り纏められていくことが多いです。その課程では、生まれてきたアイデアたちはバッサバッサと捨てられてしまいます。

「1アイデア1枚シート」がたくさん並んでいるテーブルを想像してください。テーブルを囲んでの打ち合わせ中に「これはないね」と次々と裏返しにされてゆくのです。反対にアリそうなアイデアは、表のまま少し離れた場所に"生き残り"ます。そして生き残ったアイデアを軸にして、「これとこれ、くっつかないかな?」「見てたらこんなの(新しく)思いついたぜ」
・・とさらに膨れつつ、整理されて「こんな感じだね」と打ち合わせメンバーの合意を経てまとまることになります。アイデアを絞りながら、提案全体の切り口を見つけ出していく感覚もあります。その際の基準・制限とは
・期間
・予算
・現実度
・得意先にとっての魅力度
・組み合わせの妙というか流れ ←一連の企画群としてのまとまり
 などなど。

基準については「コモン・センス」。必ずしも数値的な判断ではありません。なんとなく・・を含めて関わっている人間(自分だけ、を含めて)の合意が得られる感じです。その合意できた基準をコトバにしてみると、それがコンセプトであり、切り口。アイデア先行で一見爆発しまくっていても、最終的には「まとめ」というか
「くくり」「流れの集約」となるようなコトバやフレーズを見つけ出すことができるのではないでしょうか? アイデアが先、コンセプト/切り口の発見が後、のやり方です。それでも最初に抱いていた問題意識が大はずれでない限り、コンセプトワードの抽出を最後に持ってきても大丈夫なケースが多いと思います。すでにアイデアを拡げることが普通になってきているなら、その長所を生かして、「まとめは後で考える」「まとめるときは捨てる捨てる捨てる」のやり方をされてみてはどうでしょうか?

(付記)もちろん、コンセプトを先に絞り込んでからアイデア(企画)を探していくやり方もあります。
その場合はコンセプト候補を拡げてから、絞り込む課程が必要になるでしょう。どっちがいいのか? どっちもありですね。やりかたの選択は、自分の場合はとってもいい加減です。暗黙知の領分なんでしょうか。この辺を「決めうち」できないところは面はゆいのですが・・・。
   (かとうまさはる) 

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Q004:メモを取った後、どうすれば?

Q:メモを取った後、どうすれば?
私の同僚にメモ魔がいますが、下手にノートに書いてあると安心するらしく、逆にメモした内容が死蔵されているように思われます。ノートだと時系列に情報が並んでしまうので頭の中に引き戻す作業が難しくなるのではないでしょうか? そのあたりどのように整理されていらっしいますか。ちなみに、私はあまりメモは取り(れ)ません。必要な度にリフレッシュして一から考え直すことが多いです。結構困らないものです。全ての問い合わせにお答え頂けるとのこと大変かとは思いますが宜しくお願いいたします。
  (Kさん)

A:
なるほど。書いたきりになってしまう問題。3つほど考えてみました。

□物理的な解決法
「メモそのものが動ける」ようにする。ノートでなくメモパッド(あるいは裏紙)をつかうこと。かとうはそうしています。書いたら剥がして、必要になりそうなところに置くか、挟む。ポストイットだと貼り付いてしまうのでかえって使い勝手が悪い気がします。忘れてしまってもポッと出てきてくれるので重宝してます。余談ですが「ペラ紙」のほうが、書き飛ばしやすい気がします。みなさんはどうでしょうか?

□ソフト的な解決法その1
「ノートに再アクセスする習慣」を持つ。・・・書いてはみたものの、ハードル高い気がします。後日見返すという新しい習慣を持つのは大変です。そこでこんなのはどうでしょうか?

□ソフト的解決法その2
「ノートを畳む前に一瞥をくれる」

かとうの意見としては
1)まずはメモる=手を動かして、一度は目で見ることに意味がある
2)後で見返さなくても思い出せればいい

と思っていますが、提案としては特に1)を強化。メモを書いたら、ノートを畳む前にじっと一瞥をくれて
「これがどうにかなるのだろうか?」と問いかけてみる。脳味噌に刻み込むつもり。フォトリーディングっぽく言えば、「絵としてメモを見る」調子で。備忘録としてのメモなのか、新しいことを考えるための材料としてのメモなのか。後者であれば最終的にアイデアになっていればいいので、いつでもいいから心の奥底で
既存の要素と結びつけばそれで十分機能を果たしたと言えるのではないでしょうか。

個人的には「まあ、必要ならまだ出会えるよ」ぐらいです。Kさんはアタマの中でしっかりメモれているみたいですね。うらやましい限り。でもまずは物理的な解決法がオススメかな。負担少ないし。
  (かとうまさはる)

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Q003:商品ネーミングについての持論がありますか?

Q:商品ネーミングについての持論がありますか?
(いただいたメールから抜粋してます)

本の内容からはちょっとそれてしまうかもしれませんが・・・
商品のネーミングのつけ方について、加藤さんなりの持論ややり方が
あればお教えいだければ幸いです。

完結にまとめるっていうのがほんと一番難しいですね、。。。
  (大阪のTさん)

A:
むむむ。六つかしいのが来てしまいました。
このご質問にスパッと応えられたらそっちの道で暮らせます(笑)。
特に商品名(実際にお客さまの目に触れる名前)は大変。
好き嫌いの世界もありますし。かとうも新業態名開発の仕事はやったことがあります。その筋の専門性をもった会社も多数あります。コピーライターでもないかとうですが、あえて言うとすれば
「必要条件を後」にするチャレンジをしたいものだ、と思います。商標登録にはさまざまな制限があります。似たようなのはダメなのは当たり前として
聞いたときの音とか、英語でスラングになるのはダメとか。そっちから入りがちなのですが、
そうすると魂抜けがちかな、と思うのです。

最初に作った人のアチチな思い(込み)があるといいなあ、と思います。実際に読みにくいけどブランドになっている名前ってあるじゃないですか。多くは人名だったりもするでしょうが、気持ちが入ってたから残ったのでは? 担当者の「こんな名前にしたい」「その背景はコレコレ」。そんな思い(わがまま)を実現するためにどうしたらいいのか、を
アレコレ考える/試す/確認する・・理想主義でしょうか。その結果付いた名前が当初案と違ったとしても愛着あるものになる気がします。子どもの名前付けるのと一緒でしょう。
「こういう名前にしたい」が先で
「でもこの漢字使えない」が後であるべきなのでは。以上が今のところの“持論”です。やり方、については各人各様でよいのではないですか?
かとうも時と場合によっていろいろです。

追記:Tさんの「筆ペンネタ」は次回に取っておきますのでお待ちください。
Q&A019をご覧ください。

   (かとうまさはる)

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Q002:売り上げにも貢献する「売れる企画」のつくりかたは?

Q:「面白い企画」だけでなく、売り上げにも貢献する「売れる企画」のつくりかたは?

A:
これも業種や業態、商品によって状況が異なるので何とも言えませんが(笑)。
あえて言うなら「本当に買う側の立場で考えられるか」をもっと徹底的に考えてみることではないでしょうか。「七色いんこ」ですね。この『考具』の書店での展開を考える打ち合わせの時にも、ずっとそんなことを考えていました。おそらく印刷されたPOPはカラーで美しいのだけれども、手書きPOPには負けてしまう。書店員さんも同じ意見の方が多いようです。しかし出版社サイドとしては、書店数を考えるとそうも行かない。じゃあどうするか・・というところでアイデアが求められるわけです。  #html2(<a href="mailto:katokanji@nifty.com">■さらなるご質問は? メールはこちらまで。</a>)

Q001:相手を落とすためのプレゼンテクニックのコツは何ですか?

Q:相手を落とすためのプレゼンテクニックのコツは何ですか?

A:
最近は「落とす」という言い方はあまり正しくないのかな、と思っています。
「誰かから持ち込まれた企画」よりも「自分も参画した実感のある企画」の方が、実施する側/予算を確保する側としては当然やる気も違うでしょうから、できるだけ
「一緒に作り上げる」「相手からもアイデアをもらって企画に生かす」ことをできる限りやろうは思っています。

そのためには、まずこちらから提案した企画に理解・共感してもらうことが大事。プレゼンでの説明方法は言葉であっても、聞いた方が「画像」を結びやすかったり、「誰がどう動くとその企画が成功」なのか・・を分かってもらうことが必要になってくるでしょうね。

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