カテゴリー: Q&A

「考具」を中心とする拙著の読者みなさん、そして「ワークショップ・考具」「アイデア・バイブル ワークショップ ミニ&プラス」からいただいたご質問にお答えします。
もう10年以上やってるので、実はいくつか「被り」もあります。あしからず・・・。

Q030:大学生です。どんなノートの取り方がいいでしょうか?

Q:大学生です。どんなノートの取り方がいいでしょうか?
ノートはルーズリーフを使用しています。新たにメモしたことを追加していけるのでよいと思っています。先生方はノートのほうがよいとおっしゃている方がいます。問題はノートの書き方です。板書されたものをそのまま写しているだけでは何もならないと思います。自ら重要と思ったことは周辺にメモはしています。最近他のホームページをみてマインドマップ方式がよいのではないかと思い始めてきました。しかし、最適なノートの書き方が未だわかりません。どのような書き方がよいのか、ご意見を聞かせて下さい。
  (Mさん)

A:
正直、どれがいいのか分かりません。
というか「どのやり方もMさんにピッタリの可能性がある」ということです。ノートの取り方、には絶対的な正解はないでしょう。で、古来から長年生き続けている方法や、何人かの"信奉者"がいるやり方にはそれぞれ優れたところがあると思います。

ただし、人によって「合う合わない」が必ずあります。スポーツの世界がまさにそうで、ゴルフなんかは数え切れないぐらいの「方法」がありますし、どれが一番と云うこともなくて、それぞれに価値がある=支持する人がいる、わけです。ゴルフスイングが人によって全く違うように、ノートの取り方も千差万別。よって、自分自身でこれは、というものを「選ぶ」しかないです。

探し方は以前に比べればかなり楽になっています。インターネットもあるし、雑誌やら本やらもたくさんありますから。自分の時間を使って、どれが良さそうなのかを探ってください。さらにベターなのは、「自分でやってみる」こと。マーケティングの世界では「お試し」は定番。向こうが買って欲しい場合は無償(または廉価)でお試しさせてくれますが
こちらが求めている場合は、それなりの「払い」が必要です。払うのは、お金か時間(手間)です。
最近痛感しているのですが、ここの「払い」をケチると自信を持って進んでいくことができないな、と思います。ベストな選択をした、という確信がないと・・後でグラグラゆらぎます。

アイデア、企画を考えるときもそうなのですが、考え尽くした後で選んだもの、には迷いがありません(ここまで考えて、出てこなかったら仕方ない、の潔い諦めも含めて)。大事なのは、「選ぶ」こと。大切な自分の時間とお金を少しだけは使って有力な「選択肢」を探し、そのなかから「これかな」を選んでください。もちろん、もしかしたらもっとよいノートの取り方に出会えるかも知れません。
いえ、きっと出会うでしょう。それは
1)もっといい方法が発明された
2)その方法に初めて出会った
3)自分のスキルが上がって、他の方法の方が合うようになった
のどれかでしょう。

さて、その後どうするか? 

答えは「お、こっちの方がいいや」と思えたら乗り換える。一番最初に「考え尽くした後に選んだ」のであれば、新しく出会ったやり方の良さがすぐに比較、
判断できるでしょうからその判断にも迷いがないはずです。単純に「新しいモノをあちらこちらしている」状態との違いを分かってもらえると嬉しいです。正解がないもの、に対する選択肢は本当に限りがありません。

かとうがやっている「ワークショップ考具」でも、30人強の参加者のみなさんが一つのお題に対して30ウン通りの企画にたどり着きます。ノートの取り方も同じ世界ですね。Mさんがいま何年生なのかか分かりませんが
学生さんの世界はまだ「正解がある」ことが多いので文章だけではうまくニュアンスが伝わらないかも知れませんが。
 (かとうまさはる)

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Q029:何を最初に考える?

Q:何を最初に考える?
私は現在開発部商品企画課に所属していますが、(はや2年が過ぎ)今までに思いついたアイデアと言えば、すべていままでに思いつかれている(考案されている)商品ばかりでした。正直頭打ちの状態にいます。どちらかというと、マーケティング(数値や理論)を基本として、ものごとを考えていくクセ(習性?)があり、どうしても何らかの理由付けがないと商品を企画できないところがありました。マーケティング(とくに数値)にとらわれすぎたあまり、思い切った発想(私的な表現をしますと、「おばちゃん」的発想とでも言いましょうか)を出せずにいた自分がいます。

企画とはマーケティングが先で、発想があと。または発想が先で、マーケティングがあとの両方の考え方があると思いますが、加藤さんはどのようにお考えでしょうか?
加藤さんの本に出合えて本当に嬉しく思います。少しは裏づけのない(マーケに基づかない)発想を出せるようになった自分がいます。
  (岐阜県 Oさん)

A:
まず、マーケティングの定義からスタートするべきかのかも知れません。
各センセイごとにいろんな定義がありますが、要するに「売れてナンボ」なんですよね。調査、数値、理論だけ、ではないはずです。メールでおっしゃっている「マーケティング」とは・・・データ、市場の原則、のような与件的条件または市場の現状のことだと判断して以下参ります。

与件が先か、アイデアが先か。
これはやり方の個性だと思います。
どっちでもよくて、結果として素敵なアイデア、行けそうな企画にたどり着けば万々歳。がわたしとしての主張なんですが、実施している「ワークショップ考具」などで拝見していますと、やはり与件を重視しすぎてその枠にがんじがらめ(って最近云わないですね)になってしまう方が多いような気がします。

「ワークショップ考具」では
1)ある程度与件を意識した上で
2)いったん離れてもらって、おバカアイデアを沢山考えてから
3)もう一度与件を思い出して、企画の核になるアイデアを選んでもらうスタイルを取っています。このスタイルを取る訳は、「心のハードル」を下げるためです。大概みなさん「心のハードル」が相当高いです。もっとチャンとしたことを書かないと・・と勝手にハードルを上げています(※)。いきなり企画を考えようとするのも同じですね。企画(のコア)は沢山あるアイデアから選ぶもの、です。当然選ぶのは出してから。それなのに最初っから企画を考えたらイカンのです。

それからワークショップでは「わがまま→思いやり」の順番をしつこいほど繰り返しています。思いやり、とは与件から始めてしまうこと。ここから始めてしまうとアイデアが飛びません。わがままが先、です。飛んでしまったアイデアをなんとか与件の枠に引き戻すやり方をした方が
楽しいアイデアを選び、企画化することができるんです。もうまったく裏付けのない発想をたくさん出し、その中から与件も考えても筋の良さそうなヤツを選び出し、あれこれ工夫し与件に合致させて「企画」にする、これです。

それに、いっくら裏付けがない、ったってそうそう与件からは外れません。ニンゲンの脳ってその辺はうまくできているみたいです。もっと「心のハードル」を下げて、ドカンと行っても大丈夫です。ホントに。
   (かとうまさはる)

※・・再度『考具』66p、96pあたりを見直してください。相当くだらないですよ。
   そんなのを20個ぐらい書き殴っていると、ポッと出てくるんです、アイデアが。

Q028:アイデアがボツにされる基準はなんですか?

Q:アイデアがボツにされる基準はなんですか?
人が人の発想を否定するということがありますが、私はそれは間違いだと思いますし、また、人の発想の仕方そのものを否定することはあってはならないことだと思っています。それでも作られた企画書(発想が詰まった)がボツにされることがよくあります。これは何をもって、ボツにされるのでしょうか?

例えば、メーカーなら、そこにマーケティングの要素が含まれていないために
(この場合、要素とは収支の予測などになると思いますが)、ボツにされることはあるかと思います。では、広告会社などの企業でアイデアがボツにされる基準(理由)というのは、何になるのでしょうか?
すでに過去に出されたアイデアがボツにされるのは分かりますが、アイデアパーソンが必死に考えたアイデアがボツにされる基準に疑問を持ちます。よろしければ教えていただけないでしょうか?
 (岐阜県・Mさん)

A:
どんな寛容な提案先(得意先)であっても100案もプレゼンテーションすることはちょっとあり得ません。
したがって、我々としての「お薦め」を整理、厳選して提案することになります。

選ぶ、ということは捨てること。当然判断基準があります。
その1は、「すでにどこかがやっている」。ご指摘にあった通りです。この点については「どこか」のレベルを判断することも大事。日本全国を市場としている有名どころの場合は、他業界のことであっても「すでに」と見なすこともあるでしょう。反対に、「他業界ではすでに、でも自業界では新しい」と判断できるケースもあります。

その2、「面白くない」。新しくても、つまらないものは確かに存在します。アイデアパーソンが必死に考えても面白くないアイデアは相当数あります。これは提案先が見てもやっぱりつまらないでしょうから、ボツです(※)。実際、面白いアイデアってなかなか出てきません。だからこそ量を沢山考えて、その中から「選ぶ」のです。自分自身のケースでは、20案出したら18から19はアカンです、残念ながら。

その3は「似合わない」。どんな商品や企業にも「らしさ」があります。その「らしさ」にマッチしないアイデアも、やっぱり厳しい。ハリウッドの超・ビッグタレントがギャラ100ドルだったとしても、起用してはいけない場合があるんですね。特に最近は誰もがブランディングを強く意識しています。
となれば自分自身、自社自身の「らしさ」はもっともっと大切にしないといけないのだと思います。

その4「目的にあってない」。そしてマーケティング目的/目標に合致するかどうか、もあります。
予算面、達成するべき成果面。新規顧客獲得がお題なのに、カスタマーサティスファクションしてもシカタナイ。アイデアを考えるときには、あっちこっち"暴発"していることが多々ありますから、
この辺のガイドラインで収束させていく必要があります。もちろん、そこで出たアイデアを別案件に活用する、は大アリです。

というわけで、必死になって考え出したアイデアたちはそのほとんどがNGを食らう運命です。でもそれでよいのです。そうやって厳しい試練を乗り越えてきたアイデアだからこそ、勢いやパワーを持ち、相手のハートを撃ち抜きます。さらに理屈的には・・ですが「好き嫌い」もあるかもしれません。そうした諸条件をなんとかクリアして、企画は初めて現実化されます。これが現実。

逆にですね、本当に良いアイデアが生まれたときにはすんなり決まったりするものです。ボツを怖がっていたら、アイデアパーソンにはなれません。どんどん出して、たくさんボツ。でもキラリと光るのが1つ2つ・・・。お互い頑張りましょう。
  (かとうまさはる)

※・・ただし自分(たち)と相手との「面白がり基準」が違うというパターンもありそうですが。  #html2(<a href="mailto:katokanji@nifty.com">■さらなるご質問は? メールはこちらまで。</a>) 

Q027:アイデアの「質」を上げるために心がけることは?

Q:アイデアの「質」を上げるために心がけることはありますでしょうか?
はじめまして。
「考具」を読ませていただき「すばらしい本にめぐり合えた」と思い、御礼を申し上げたくメールを打っております。特に私にとってありがたかったのは、考える上での「マインドセット(心の持ちよう)」と考える上での「ツール(道具立て)」の両方が書かれていた点です。前者だけですと「心構えはわかったけど実際どうするのさ?」となりますし、後者だけですと「この道具、切れ味は大したことないな」というきめ付けをして使うことをあきらめていたと思います。どうもありがとうございます。

「考具」を使った私なりの発見は以下の点でした。
発見1 とにかく集中してアイデアを30個考える、という具合に自分を強制すると、
アイデアの良さ・面白さはともかくとして「以前の自分だったらまず思いつかなかった」というアイデアは30個中、3つくらいは出てくる。
これは新しい発見でした。考えてみれば当たり前ですが、「頭を使い続ける」と今までとは違う発見ができる、ということですね。
これは新鮮な体験なので、新鮮さが薄れないうちに、習慣化していきたいと思っています(個人的には「アイデア道場」と呼んでます)。

発見2 思いついたアイデアは書き留めておこうと思うと、普段から「ふと」アイデアが出てくることが意識され、エンカレッジされるということです。今はまだメモする習慣が定着していないため、
「あ、さっきなんか思いついたのに忘れてしまった」なんていうのもいくつかありますが、根気強くアイデアを出す習慣づけをしていきたいと思っています。私自身は、普段は外資系の経営コンサルティング会社に勤めており、隔週でビジネススクールで「論理的思考」のクラスの講師をやっていますので、「考える」ということについて多少わかっているつもりでおりましたが、仕事面では「論理的に考える」みたいなことばかりを強調しすぎて、自分の自由な発想を勝手に却下していたな、
と反省しました(論理的に・・・ということばかりやってると、だんだんとアウトプットがつまらなくなっていくんですよね。「考具」を読んでその理由の一端がわかった気がします)。

さて、長い前置きですみません。一つご質問があります。
質問:アイデアの「質」を上げるために心がけることはありますでしょうか?

今の自分の状態は、「とにかくアイデアを30個考える」みたいなことを自分に強制することで、「面白いかどうかはともかく、今までよりはアイデアがたくさん出るようになった」ということだと思っています。ただ逆に、「つまらないアイデアを粗製濫造しているだけでは?」という素朴な疑問を感じるときもあります。
「面白い!」と思える自作のアイデアにはなかなか巡り合いません。アイデアの質を上げるためには、例えば「面白いアイデアがX個出るまでやめない」みたいな方法がよいのでしょうか?

「面白いと思うアイデアがないということは、アイデアの絶対数が足りない(量が質を規定する)」ということでアイデアの「ノルマ」を増やすべきなのでしょうか?
それとも「何がしか続けていけば、アイデアの質も上がってくる」というものでしょうか? 抽象的な質問ですみませんが、加藤さんの体験をお聞かせいただけるとありがたいです。
  (Kさん)

A:
理想を云えば、「面白いアイデア10個縛り!」などが好いと思いますが、そうしているといつまで経ってもプレゼンすらできません(笑)。
現実的には時間ギリギリまで考えたところから、最良(最適)だと判断できるアイデアを企画化していく事になると思います。先にも書きましたが、これじゃあなあ・・との思いを払拭できずにその日を迎えてしまうこともあるかも知れません。この問題については自分の打率目標をどこに置くか、がベンチマークになるでしょうね。もちろん10割・連戦先勝、と行きたいところですが現実はそれほど甘くはありませんよね。競合相手、そして自分自身に勝ったり負けたりなのが実際なのだと思います。

残念ながら仕事をしていると、毎日が試合・・ぐらいな感じです。キャンプを張ることもままなりません。
しかし数を大量にこなしていくうちに「当たり」は微妙に感じ取れるようになってくると思います。「これなら通るな」というカンです。
ただ最初から「当たり=ハイクオリティ」とは必ずしも云い切れません。

それから出てきたアイデアがそのまんま「ご採用」になることは割合少ないでしょう。アイデアの一部分、一欠片だけが面白い、という手応えがだんだんと出てくる感じです。でもそうしたらしめたもの。あとは組み合わせですから。とはいえ、練習(=アイデアの数を出すこと)を積んでいれば、
ある程度のクオリティを持つアイデアがポロッと、あるいはギリギリのところで出てくるようになると思います。いくつアイデアを出したらそうなるのか、は誰にも分かりません。またお題によって打率が大きく変動したりして・・・。課題は年々複雑になり、アイデアが求められるジャンルも広がる一方。
永遠に続く自分との戦い、です。
  (かとうまさはる) 

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Q026:企画を活かせる場がありません!

Q:企画を活かせる場がありません!
何度も読み返し、既存のアイデア本の中では一番だと思っています。現在アイデアマラソンを実行していて、今年の元旦から始め、まだまだプラスを保っている状態です。やはり、「考えること」って楽しいです。将来クリエイターやプランナーになりたいので贅沢に企画開発職ばかりを狙って就職活動をしましたが、結果、惨敗です。そして、いわゆるフリーターの身が確定しました。しかし、どんな会社も私の「企画書」という名目のエントリーシートでは書類を通してくれましたので、少し自信に繋がっています。

そこで、相談事のようになってしまいますが、質問があります。企画があるにしても、それを活かせる場、活かしてくれそうな場が無いんです。「そういったことを見つける努力をしてないだけ」と言われそうですが、もし良いアイデア、企画が浮かんで、実行したい、プレゼンしたい、
このアイデアはどうかと議論したいと思ったときに、どう行動していいか分からず、メールいたしました。漫画家や作家志望の場合は自分の作品を「持ち込み」という形で出版社へ行ったり、
コンクールという形がありますが、企画の場合はどうしたら良いのでしょうか。
  (Hさん)

A:
昔々の学生時代のころを思い出しました。学園祭のイベント渉外をやっていて、「企画」(と呼べないほど稚拙でしたが・・)を企業さんに売り込みに行ったことがあります。いま考えると、とってもお得な企画だった様な気がする・・(笑)。

持ち込み、に関しては相手が企業であれ大金持ちであれ「誰が何をすればいいのか」がハッキリと見えていることが大事じゃないでしょうか。出資すればいいのか、相談に乗ればいいのか。さらに云えば予算の出所はどこなのか、そしてリターン(金銭的なモノだけとは限りません)は何か。

アイデアが企画に落とし込まれていれば、
誰が何をすればいいのか=その企画を実現するために何が足りないのか、が割合はっきりしているはずです。

それが明確でないと、not my business。持ち込まれても「面白いけど自分には関係ない話」に聞こえてしまいます。持ち込み先についてはコネがあった方がスピード的に早い、のメリットはあると思いますが、企画そのものが好いのであれば、会ってくれないという事もないんじゃないかと思います。

いきなりクライアントに行っても好いでしょうし、実施する上でパートナーとなってくれそうな人(会社)でも。

ただし・・いきなりの売り込むですと正直面倒がられると思います。このハードルを越える/くぐり抜けるための一番の近道は書物/メルマガからヒントを得ることでしょう。中小企業の方々向けのマーケティング関係、あるいはいわゆるセールスマン向けに書かれた良書&良メルマガが相当役立ちます。ついでながら、同じような課題を抱えている全ての人がHさんの話に耳を傾けてくれることは絶対にありません。当然相性やらタイミングやら、いろいろあります。ある程度数を打たないとそりゃ、当たりません。でもできるだけ「筋のいい相手」を絞り込むやり方はあります。上記の様な良書には「集客→セールス→CSのサイクルをどう仕組み化するか」が書かれています。
詳しくはそちらに譲りますが、ぜひぜひ・・ぜひ、参考にしてください。
 (かとうまさはる)

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Q025:マンダラートの正しい使い方は?

Q:マンダラートの正しい使い方は?
「考具」を仕事のバイブルとして活用しています。「質問応答の時間」を利用してどうしてもお聞きしたいことがありますのでご質問させていただきます
「考具」その9:マンダラートについてお聞きします。P110にありますとおり、アイデアを出したいテーマを真ん中にもってきて、そのまわりの8つのセルを埋めていくことはよくわかりました。

ただ作業を進めていくうえで、例えば、真ん中のテーマについて周りのセルを埋める際にそもそもマンダラートを使用することになった理由を念頭において埋めていくことが最も良い方法なのでしょうか? 具体的に申しますと、例えばP110ではマンダラートを使用することになった理由は「新商品の企画」をするためです。この「新商品の企画」を念頭においてマグカップに関する周りのセル埋めを進めていくのかということです。なぜ? このようなことをお聞きするのかと申しますと、マンダラートを使用する理由を考えず(念頭におかず)に、ただテーマだけを見て(使用理由を考えずに)セルを埋めていくことは比較的簡単ではないかと考えます。例えば先の「マグカップ」の場合、「新商品の企画」ということをそっちのけで
ただマグカップに関することだけでセルを埋めていくことは私にとっては簡単に思えます。ただし、その場合、「新商品の企画」に関係のない事柄も出てくるので
やはりセルを埋める際はマンダラートを使用する理由を念頭においてセルを埋めていくことが必要なのではないかと思っております。その10:マインドマップの進め方についても同じことが言えるのではないかと思います。
長々と書きましたが、マンダラートの正しい使用方法についてご回答いただきますようお願いいたします。
 (Mさん)

A:
正直なところ、かとうも「正しいマンダラート使い」としてはやや落第気味ですので回答しちゃっていいのだろうか、と悩みつつ・・より実践的な使用シーンでの個人的体験をベースにお話しします。

あまり「正しい/正しくない」にとらわれすぎていると、よろしくないと思います。アイデアパーソンとしては「いいアイデアが出た/出ない」その結果にこだわりたいのです。マンダラしているところが生中継される訳ではありませんから、少々間違っていたって問題ありません。「新商品の企画に関係ないこと」がマンダラに乗っかっていてもOKです。そもそもマンダラに拡げていくのは「組み合わせるための要素出し」の部分が大きいのですからして、マグカップに関してMさんが知っているありとあらゆる事が列挙される方が、お得ですよね? 脳裏の記憶を引きずり出して、残らずプリントアウトするような感覚です。その中から新商品のヒントになるピースが見つかります。
基本に立ち返り、原則を確認すると「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」のでした。

また『考具』でも触れましたが、知っていることを書き出しているつもりが、いつの間にアイデアを思いついている・・・ように、頭の働き方はいい加減です。そのミックス(移行)は1枚のマンダラの中でも起こりえます。
そんないい加減さを受け入れてみてください。およびご心配の「使用する理由を念頭におく」件ですが、
スタート時に目指すゴールが新商品企画であることが分かっていたら、脱線していてもちゃんと帰ってきます。

気になるようでしたら、
1)○○について知っていることをとにかくマンダラで書き出す時間
 をつくってから、
2)書き出したものを眺めながら、アイデア(もどき、を含む)を書く時間
 に入ってみてはどうでしょう。としても、1)の最中にアイデアが出てきたり、2)の間にふと1)の不足分を思い出したりするでしょう。それも仲間はずれにせず、また規定の時間に思い出さなかった自分を責めたりせず、「お、ラッキー!」でメモしてあげてください。
ちなみに 0)として、「どんな新商品が売れそうなのか」を参考までにやってみると、
1)や2)に広がりが出るかも知れませんね。「何を考えるのか」=クエスチョンを固めることが、実は問題解決のキモだったりします。

0)を徹底的に突き詰め、考えるべき領域を絞り込んでから具体的な商品企画に入るのを戦略的だとする考え方も多いのですが、偶然が発見を呼ぶ、の事実もまた確かにあって。0)を参考までに、としたのはこの理由からです。絞った方がいいこともあるし、そうでないこともあるし。まことアイデアとか企画を考えるのは六つかしいです。
このあたりの使い分けができたら、相当のマンダラート使いなんでしょうね。
  (かとうまさはる) 

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Q024:建築(家)と考具との関係について・・?

Q:建築(家)と考具の関係について・・?
『考具』楽しく読ませていただきました!
「建築」もアイデア出したもん勝ち、と、日々感じています。例えば安藤忠雄さんの代表作「住吉の長屋」。別室へ行くのにいちいち屋根のないコートヤードへ出なければならない。僕にとっては反則ワザのような建築です(おいしすぎです)。そんなアイデアマンぞろいなワケですが、グループワークをするとあまりに個性がぶつかりすぎてうまいこと煮詰まらない、という経験をしばしばしてきました。特に、グループで1つの建築(もしくは空間)を作る、という場合です。

▼質問1▼
アイデアは質よりも量だ! と加藤さんは述べておられます。ブレストでも質より量でしょうか? それは建築においても当てはまるとお思いでしょうか?

▼質問2▼
また、学科の諸先輩方との協働作業・ブレストにおいても『考具』的考えを導入したいのですが、どうするのが効果的でしょう?

ex:レジュメに掲載するなど…高校時代は、新聞部に在籍しており、トップに立って指揮できたのですが、今はそういう立場にありません。規模、学年とそれに伴う学習進度のためです

よろしければお答えください!
 (秋田県 Kさん)

A:
建築にアイデア。とても重要ですよね。
プランそのものを左右する大きなアイデアから、細かい数センチの収まりなどの工夫のような小さなアイデアまで、本当にたくさんのアイデアの固まりですね。私事ながらかとうも自宅(コーポラティブタイプの集合住宅なのです)の設計を建築家の先生とやったとき、それを痛感しました。また建築はアートにも近いので、各建築家の個性がかなり出てきます。施主と建築家と個性が合うかどうかは非常に重要なポイントですね。
さて本題に参りましょう。

▽回答1▽

アイデアは量>質、とまでは云いません。大量のアイデアが出てくれば、質的にOKなものが「選べる」のです。
そして質の高いモノだけを頭の中から出そうとするのは、アイデアを自分で殺してしまっていることになりがちなので、
とりあえず量、を第一に出してしまってから、質の要求を満たしているものをピックアップする、です。もちろん、いくら大量のアイデアがあっても、OKラインに達していないモノばかりだった、という結果に終わる可能性はあります。プロの仕事なら十分あり得ることです。
その場合どうするか?

もっともっと、考えるのです。(質を後回しにして)アイデアを出すのです。ブレストをそのまま続行するのもよし、後日に仕切り直すのもよし。
それはリーダーの差配しだい、および場の具合ですね。しかし仕事にはたいがい締め切りがありますから、厳しいです。ほんとに。
当然ながらこの原則はジャンルを問わないと思います。
広告でも建築でも夕食でも。やっぱり締め切りはありますね。

▽回答2▽
あるチームや集団に属する全員が考具を使う。結構なハードルかも知れませんね。

『考具』では基本的に個人ユースを主に想定していましたので、「みんなでやる考具」はまた別の展開が考えられそうです。チームでのワークに考具を使うためには、しかるべき人が「導入」してくれないと六つかしいケースが多いでしょう。とくに考具はカタチのあるものは多いし、一件妙な入り口ですから、「なにそれ」的な拒否反応もあったりして。
また建築に限らず、個性あふれるチームの方々に一律的なやり方を強制するのも一考です。要は議論の場(アイデア決定≒選択の場)にいいアイデアが持ち寄られれば好いのであって、そこに至るプロセスは個人がそれぞれでいいと思うのですけども。建築に関するアイデアの場合は「場で考える」ことが少ないような気もします。その辺はどうなんでしょうか?

ともあれ、導入するとしたら・・・ですね。全体にいきなり、よりは「こんなやり方を見たんですけど・・」「たまたまこうやったら結構(というさりげなさがポイントか)よくて・・」など、あくまでも参考程度なんですが・・・のノリでさりげなく提案してみる、なんてのはどうでしょうか。低姿勢の導入方法ですが最初の抵抗感ハードルって意外に高いものですから。

しかし・・・こうした会議というか打ち合わせをどうやって活性化していくか、みなさん悩んでますね。実際、ここのところ非常に多くの本が出版されてきていますし。組織だけではなく、ワークのリーダーシップ、もそこかしこで問われているのでしょうね。
  (かとうまさはる) 

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Q023:『考具・演習編』はどうでしょう?

Q:『考具・演習編』はどうでしょう?
「考具」を大変興味深く読みました。実際の仕事にもすぐに役に立ちました。ありがとうございます。
今日は質問ではなく提案をさせていただこうと思います。それぞれの「考具」について演習を載せたバージョンを発行してはどうでしょうか。この本の中でマニュアル本を読む人の中で実践する人は1%だという話がありましたが、
実際に考具に基づいて考えさせ、使わせることで効果を実感して実践する人が増えるのではないでしょうか。こんな簡単なことはすでに考えていらっしゃるかもしれませんが・・・。
 (Yさん)

A:
ご提案、ありがとうございます。一度ならず、そういう企画は俎上にはのぼったのですが・・・。本、という形式はどうしても不特定多数を対象にしたつくりになります。そして一人で向かい合うタイプのメディアであり、どうしても一方的なコミュニケーションになってしまいがち。いくら演習を載せていても、実際にそれをやるかどうかは100%読者任せになってしまいます。例題が掲載されているような本もたくさんありますが、考えないでそっと答えを先めくりしてしまう読者もまた、たくさんいる訳です(わたしもその一人・・苦笑)。

こうした環境の中に『考具・演習編』を投入してもそれほどの効果があるのかしら、と今は思っています。「強制的に考具を使わざるを得ない環境」に身を置かないと、使い始めのその一歩を踏み出せない方もいるのだろう、ということです。その代わり、ということで『ワークショップ・考具』なるプログラムを開発しました。1日コースまたは2日コースで実際のお題に対して各種考具をつかってアイデアを考え、
企画にまとめる行程を実際に作業するワークショップです(※)。スポーツも独学ではなかなか始められないのと同じように
「考える」もまた誰かの手ほどきが必要なのかな・・と思っているところです。
 (かとうまさはる)

※・・まとまったグループからお申し出があったら、というのが現在(2005年8月)の状況です。
   #html2(<a href="mailto:katokanji@nifty.com">■さらなるご質問は? メールはこちらまで。</a>) 

Q022:『考具』は大企業に属している人が対象ですか?

Q:『考具』は大企業に属している人が対象ですか?
すてきな本と企画をありがとうございます。アイデアマン(ウーマン)と小さい頃から言われて育った私は、うんうんっとうなづきながら本に線をひきつつ読ませていただきました。同年代なので、文章の中に出てくる連想ゲームも確かに見ていたりまるでセミナーで聞いているようなライブ感があり、
とても楽しい時間を過ごさせていただきました。アイデアマンを増やそうというこの企画ですが、ホームページを拝見していても、大きい会社に属している方々が対象という様な感じがしてしまうのは私だけでしょうか? この本を読んでアイデアマンとなる方々が必ずしも会社でアイデアをもとめられているとは限らないと思うのですが、考具をつかってアイデアマンになり活かす機会があるといいですよね! その辺りをつなぐ活動も今後広がっていくことを願っています。いかがでしょうか? 実際、アイデアがたくさん湧き出てきても、それを現実化するには、システムが必要だと思います。フリーのアイデアマン達も登録できるような考具アイデア工場はいかがですか!? 考具をきっかけに、日本にもアイデアマンが増えていき、世の中がよくなることを夢みています!
 (神奈川県 Aさん ※一部省略しました)

A:
たくさんのご意見とご質問、ありがとうございます。なんか、こそばゆいですね。
まず質問への回答編から参りましょう。大企業向け、というつもりはあんまりないのですが、自分自身がサラリーマンなので、その環境に左右されているのかも知れません。しかしそれぞれの考具の使い方や、アイデアを考えるプロセスはいたって個人的な作業、誤解を恐れず云えば一人でできること、がベースとなっていますので、お勤めされる企業のサイズやポジションとは関係なく、成立すると思っています。

続いていただいたアイデアについて。「アイデアパーソンたちを繋ぐ」「アイデアを現実化するための考具アイデア工場」・・・とっても壮大なアイデアですねー。かとうとしてはビッグアイデアを一つ成し遂げるより、小さくてもいいから、すでに誰かがやっていてもいいから、自分自身が考え出したアイデアをたくさん現実化することの方が先なのかな、と思うのです。似たようなことを何度か繰り返していますが大きなアイデアを実現する人は、それまでに小さな、そして中くらいのアイデアを数多くカタチにしてきたのではないかな、と。アイデアを実現させる練習、とでもいいましょうか。

足し算したらそうなる訳でもないのですが、大きなアイデアも小さなアイデアの集合である、という側面もあります。
あるいは「入れ子構造」のように基本形は同じでもサイズが大きいケースもあるはずですし。もちろん将来的には「アイデアパーソンたちが集まって・・」となる日がやって来るのでしょうけども。それに負けず劣らず、小さなアイデアが密かに多く現実化していけば、いつの間にか世の中が変わっている・・なんてこと、ないですかね!?
  (かとうまさはる)

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Q021:アイデアを企画書に収束させるには?

Q:アイデアを企画書に収束させるには?
マインドマップ、マンダラートなどの「考具」を使って
ゾロゾロと目の前に出てきたアイデアを企画書に仕上げる、「よい」方法を教えてください。『考具』を読む限り、かとうさんは軽々とアイデアを企画書にされている
ように思えるのですが、やはりこの段階では大変なご苦労があるのでしょうか。
 (大阪府 Yさん)

A:
まず最初に確認を。
「企画」と「企画書」とは全く別のものです。
企画そのもののカタチ(輪郭)がある程度自分自身でミエていないと、つくった企画書はフニャフニャです。企画のカタチがあるかどうかを確かめるために、企画者である自分にアレヤコレヤと質問をしてみてください。「ここ、どうなるんだろう」「いつ、誰がやるんだろう?」・・企画があやふやだと、答えられません。基本的な5Wですら、答えられないことが多いのです。このときには「質問者」としてその企画を受け取る人、または実施をお手伝いする人になりきってみてください。会社なら上司、編集者なら取材を担当してもらうライター、店長さんなら部下になってみて、質問をしてみる。イベントだったら参加者もしくは運営アルバイトスタッフという視点もいいです。

こうした企画を受け取る側から質問していくと、企画する側からでは見落としがちな盲点に気が付きます。この過程を『考具』の文中ではフィージビリティスタディと表現しましたが、言い換えればシミュレーションです。予想すること、想像することです。ここをすっ飛ばしてしまっていきなり企画「書」を書き出すとどうなるか? 抽象的なコンセプトにとどまるか、気持ちはいいんだけど、中身のない記述(文書)になってしまいます。

企画、はまだこの世の中に出現していないプロダクツや出来事ですから、できる限り細かく想像してから伝えないと、誰にも正しく掴んでもらえません。そしてきちんと想像できたものは、より具体的なカタチに変換することができます
いわゆる完成予想図、ってやつです。「タイトル」「5W1H」「ビジュアライズ」、そして総合した「1枚企画書(メモ)」というのがそれ。あるシーン一つとっても、5W1Hが想像できなければ写真撮影は不可能なんです。企画書にどこまで書き込むのか、はまた別の問題ではありますが、「ここはどうなっているの?」の質問には答えられる。そこまでの筋道が付いてから、企画書を書き始めるべきなんじゃないか、と思う次第です。
結論。
アイデアが企画になってから、企画書を書くんです!

  (かとうまさはる) 

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Q020:「発想法」と「思考法」との違いは何ですか?

Q:「発想法」と「思考法」の違いはなんですか?
『Think!』(2004Win#8 東洋経済新報社)の記事、「思考法と、発想法。」楽しく読ませて頂きました。
この特集の(『ワークショップ考具』以外の)他の記事は「思考法」に力点を置いているように思われました。そもそも発想法と思考法は違うものなのでしょうか? 発想法+合理的意思決定=思考法、つまり思考法の方が高級、という風に思えてならないのですが。とはいえ、コンサル業界の人が広告(企画?)業界で即通用するとも思えないですし、逆もまた然りで。ご意見賜りたく。
  (東京都・Kさん)

A:
そうえいば、どうなんだろう?
ということで、手元の辞書をまずは調べてみました。
「新明解国語辞典」三省堂(※)によると以下。予想以上に違うので驚きました。

【思考】
 冷静に論理をたどって考えること(頭の働き)。

【発想】
 1)その問題をどう取り扱い、どうまとめるかということについての思いつき。アイデア。
 2)(考え付いた事を)効果的な叙述・構成などによって表現すること。
 3)(音楽で)楽曲の持つ気分などを演奏のしかたによって表現すること。

他の辞書も当たり、かつあくまでも自説を述べれば違いは大きく2つかと。
まずは「プロセスと結果」の違い。思考、はプロレス、じゃなかったプロセス。これが正しくないと、結論も当然ずれるでしょう。鋭くない経営者はこのプロセスを持っていないので、
好くて回り道、でなければ間違った道を進んでいくことになっているのでしょうね。さらに結論までのスピードも早い。
あれこれ調べたりして傍目には面倒に見えるのかも知れませんが
プロセスとしての方法論=ノウハウあるいはメソッドを確立しているのであれば、それは「作業」に近いでしょうから存外楽チンだったりして? ・・そんなワケないか。それに比して発想の方は「で、どうする」「何をする」がカバー範囲。
合理的なプロセスを経て明らかになった課題・問題をどうやって解決するのか、です。合理的な思考法では課題そのものの特定や解決の方向性まではMECE的に"導ける"のだと思いますが、ビジネスの現業ではその先も重要。ちなみにどこまでが業務領域なのか、でコンサルティング(会社)に対する誤解が生じやすい部分でもあるみたいですね。

2つめの違いは「個性の発揮度」。合理的、論理的なプロセスにおいては選択肢はあるでしょうけども「最適かどうか」が問われる気がします。そこに担当者による違いは、発想のそれ、ほどは大きく出ないのではないか・・? と想像します。発想は表現、でもあるわけですから、個性が必要。「らしさ」があったほうがいい。ビジネスの世界においては、「発想」のプレゼンテーションといえど当然ロジカルであるべきですが、個性がアウトプット(企画)の中に出てくるのであれば、人によっては判断が分かれるケースも出てくるのでしょう。発想、の領域がアウトプットとして具体的である以上、これは乗り越えて行かなければならない壁。苦しいけど楽しいところ、です。

さて、どっちが高級かはナゾですが、これからは「思考と発想」がクロスオーバーする、または協働するケースが多くなるんでは・・・と勝手に予想しています。kさんはどう思います?
  (かとうまさはる)

  ※・・余談ですが「変な解説」でちょっと有名な辞書です。

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Q019:筆ペン、は考具としてはどうでしょうか?

Q:筆ペン、は考具としてはどうでしょうか? わたしは好きなんですが・・・
  (大阪府・Tさん)

A:
実はこのご質問、もう半年以上前にいただいてました・・すいません。
で、やっとこながらカラフルな筆ペン(というのがあるんですね)を5色ぐらい買ってきて、使ってみました。実感としては「ちょっと使いにくいな」でした。というのはかとうは非常に筆圧が高いので筆系のものはあまり合ってないみたいです。

そもそも『考具』は誰が認定しているものでもなくみなさんが「いい感じだぞ」「楽しいぞ」
「スムースだぞ」と感じるものを適宜使っていただければそれでOKだと思います。ただし食べず嫌いもいけないでしょうね。予算が許す限り、いろんな道具に挑戦してみてはどうでしょうか。そうした旅の先に「あ、これだ」と心底思える自分にぴったりの道具が見つかると思います。

この段階に達するまでには試行錯誤というかいろいろ使ってみることが必要でしょう。最近は試行錯誤をパスして楽しようという風潮が顕著ですけれど、ある程度は自分の身体(経験)で判断してみてください。先日たまたま見たTV番組があります。全国の「名医」を紹介する番組。その中でとある脳外科バイパス手術のセンセ(本拠地旭川。関東に出張オペに来たなら見学のために
医師がビデオを持ってわんさか集まってくるほど)が「自前の道具」をそっと披露されてました。ハサミとかピンセットとか、いわゆる手術時に使用するものでしたが自腹を切って、自分に≒治療に最適な道具を揃えていらっしゃいました。10本ぐらいでしたでしょうか。常に持ち歩いている分だけで200万ぐらいにはなるようで「これでまた奥さんに怒られるんですよ」とのこと。プロフェッショナルって、道具を厳しく選んでいてかつ信頼しているだなあ・・・とほれぼれしました。あれこれと試行錯誤した結果の自分で納得できる道具、っていいですよね。
  (かとうまさはる) 

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Q018:人のアイデアを批判しないようにするには?

Q:人のアイデアを批判しないようにするには?
同じく「ブレストの上手いやり方」について教えていただきたいことがあります。今度は、自分が誰かのアイデアに対して意見をいうときに気をつけるべきことについて、です。人のアイデアに対して、私はついつい「批判」してしまうのです。
ひどいときには、その人自身を批判しまうことも。「そもそもあなたの考え方の本質が!」なんてこれまた後悔。
後悔先に立たず…。どうすればよいでしょうか、とほほほほ。
  (大阪府・とほほ娘さん)

A:
分かりますねえ。やっちゃいますよね。
正しいかどうか謎ですが、かとうが日頃試していることをお伝えしてみましょう。といっても100%どころか半分すら実践できていないのですが・・・。かとうができる限り意識していることはしゃべり始める時に「いや・・」と云わないこと。
云ってる人、多いんですよ。最初に「いや・・それは・・」と否定から入ると、どうしても対決モードになりがち。意識的に「なるほど」とか「ふんふん」など肯定的な、少なくとも中立的な言葉からしゃべり出すようにすると、意外に効果あります。これは習慣。
最初に無理してやっているとそのうち口癖になります。お試しあれ。
 (かとうまさはる)

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Q017:自分のアイデアを批判されると反撃してしまうのです。

Q:自分のアイデアを批判されると反撃してしまうのです。
「ブレストの上手なやり方」について教えて下さい。(私がアイデアを出した側の人間とした場合)
本の中でもおっしゃっている通り、ブレストをしているといつのまにか「批判会議」になってしまいます。
私は気が強いほうなので、自分のアイデアに対し「批判」めいたことを言われるとすぐにむっとして、
それがたとえよい意見だったとしてもシャットアウトして「批判返し!」をしてしまうのです。「ああ、しまった! もったいないことをした」と思うのは、いつもブレストが終了した時点。会議の雰囲気もかなり悪い感じ…。後悔先に立たず…。もう後悔はしたくありません。批判めいたことを言われたときの上手い受け方、ブレスト中のその場での返し方、受け方を教えて下さい。
 (大阪府・ととほ娘さん)

A:
ブレストは本当に運用が六つかしいです。
おっしゃるとおり、アイデアキラーになってしまう人がたくさんいますし、アイデアがいい悪いを議論するという本筋を外してしまうこともあるでしょうね。

まずは心持ちから。ほとんど場合、自分の出したアイデアそのままに最終的なアウトプットまで行き着くことは少ないと思います。変更が出るのは実作業中が多くなるでしょうが、会議も一緒。妥協の産物になってはダメなんでしょうが、他の人を乗り越えられないアイデアはチカラがない、と考えてみてはいかがでしょう? 文句を付けているだけのように思える場合もありますが、そのアイデアが世に出たときには同じように考える人もまたいる、のです。たぶん。
少なくとも自分からは批判をしない。他人さまのいうことを受け入れる=肯定してください(賛成しなくてもいいです)。まずはここから。「返さない」って感じです。

とはいえ、これはそれなりに修行? も必要ですのでやや即効性のありそうなアイデアも一つ。ブレストが云い合いになってしまうのは
「アイデアと発言者が一体となっている」ところに問題があるのでは、と考えるようになりました(Notes 03/09/16参照)。発言そのものと発言者はやっぱり切り離しておきましょう。ベースとしてお勧めしたいのは、自分のアイデアを紙にしておくこと。1案1枚。打ち合わせでは、その紙をテーブルの上に広げます。そうすると、全員の視線は紙の上に書かれたもの、すなわちアイデアそのものに向かうようになります。ついでに誰かが云ったことも、紙に走り書きしてテーブルに置く。話しているうちに思いついた新しいアイデアもですね。云ってみればブレストの速記です。自分が反論する場合でも同じで、「意見を言った人」ではなく、「机の上におかれたアイデアへの意見」に《反論》する感じになると、結構いけます。発言を「聞くもの」から「見る(読む)もの」へ転換してしまうと少なくとも人格攻撃にはなりにくくなる、というわけです。お試しあれ。
   (かとうまさはる) 

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Q016:マンダラは全部のセルを埋めないとダメですか?

Q:マンダラは全部のセルを埋めないとダメですか?
マンダラートをやろうとしてもセルを8つ全部埋めるのが苦しいときがあるのですが、やっぱり全部埋めないとダメなのでしょうか?
 (Iさん)

A:
道具って、最初からフルに使いこなすことはなかなかできません。
例えばパソコンのアプリケーション。ワープロにしても表計算にしても、その機能をフルに使っていることなんて早々ありませんよね? とまずは考えて、気楽に使ってみましょう
もちろん8つのセルが埋まるのが理想的ですけども、6つでもいいじゃないですか。もし、真っ白な紙を使っていたら3つしか出てこなかったかも知れないですね?
それがマンダラを使うことで6つも出たなら「2倍」です。
あるいは、マンダラでも3つしか埋まらなくてもそのうちの1つのセルからさらにマンダラが展開できて、そっちで8つ出てくれば 3+8=11。単なる白い紙を使用した場合との「生産性」を想像してみてください。道具があると楽チンになるんですね。そして道具を使うことの目的はマンダラが埋まることではなくて、何かいいアイデア・企画が出てくることです。途中過程が3つでも6つでもいいじゃないですか。最初はこんな調子でスタートして好いと思います。とか何とか云って、あれこれやってるうちにすぐ8つじゃ足りなくなりますから大丈夫!? です。
  (かとうまさはる) 

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Q015:カラーバス、がよく分からない・・

Q:カラーバス、がよく分からない・・
カラーバスで、「自分の決めた色を見る」のは分かるんですが・・
それで見つけたものをどうやってアイデアのネタにするんでしょうか?
  (Tさん)

A:
カラーバスで見つけたアイテムをどうやって「処理」するか。
人それぞれなんですが、例えばこんなヒントはどうでしょうか?

ヒント1
そのアイテムを「記憶をたどる触媒」として使う。アイデアを考えていく際には、自分のアタマの中で「既存の要素のぶつかり合い」が必要になります。カラーバスで見つけたアイテムがそのままぶつかってくれれば単純にOK。そうでもない場合は、カラーバスアイテムから連想されたもの、あるいはそれがきっかけとなってよみがえってきた記憶が、ぶつかってくれればそれでいい。つまりカラーバスアイテムを見なければ思い出さなかった記憶を引っ張り出すための触媒です。カラーバス+連想ゲームの合わせ技ですね。

ヒント2
カラーバスアイテムから見つけるネタを「ずらす」。例えば『考具』の48・49pでは、サンプルとしてゴミ箱を取り上げていますが、そのアイテムをゴミ箱と見るだけではなく「大きな缶(型の物体)」とみる。あるいは「スリットがたくさん」とアイテムの一部だけを取り出してみる。そんなやり方をしてみると、一つのアイテムには本当にたくさんの見方(取り出し方)があることに気づきます。同ページのバイクの写真から灰皿に注目してみるのも同じパターン。人間はすぐ物体を抽象化して把握してしまいます。すると概念しかアタマに残りませんから、違う見方をすることが急に六つかしくなります。

アイテムを視覚情報としてまず見てみることで、かえって違う情報の切り出しが可能になる、ということみたいです。

他にもヒントがあると思いますが、まずはこんなところをお試しあれ。
  (かとうまさはる)

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Q014:苦しんだ方がいいアイデアが浮かびますか?

Q:苦しんだ方がいいアイデアが浮かびますか?
ここんところ、アイデアに関してはちょいスランプ気味なのでご質問したいのですが、加藤さんはアイデアを出す時、苦しんだ方がいいアイデアがが浮かびますか? それとも楽しんだ方がいいアイデアってでますか? 僕はけっこう苦しんでしまう方なのですが、加藤さんなりの楽しみ方っていうか、そういうのがあったら教えていただければ幸いです。
 (大阪・Tさん)

A:
こんにちは。暑いですね。大阪も暑そうです。知人は「大阪は熱い」って云ってます。
さて本題。アイデアの量が出てくるようになると、当然のことながら質が上がってきます。質、というのは「すばらしい」ということに限らず
「ぴったりの」「関係者がなるほど、と賛同してくれる」という意味においてです。繰り返しになりますが、全世界的に新しくなくてもいい、ってことですね。そうなるとアイデアをもらう方も選球眼が良くなってきますから、要求されるレベルも上がる。アイデアそのものは結構「出る」んだけども、「これや!」と膝を打つようなのがなかなかこない・・。
スランプ、とおっしゃっているのはそんな感じでしょうか?

苦しんだ方がいいかどうか? そりゃあ・・楽しい方がいいと思います。
ただし「苦しい、という自分が楽しい」と感じるタイプの方もたくさんいらっしゃいます。
Tさんがどちらのタイプかは分かりません(笑)。かとう自身のあくまでも個人的なケースですが、なっかなか良きアイデアが出てこないときには
「必ず答えはある」(一般的に)
「少なくとも採用される企画がある」(競合プレゼンの場合)
と実際に口に出すようにしています。ブツブツ独り言を云います。全世界的に・・最適かどうかは謎ですが、少なくともその時点でベストだ、と判断されるアイデア・企画があるはずだ、と。『アイデアのヒント』にもそんな話が出てきますのでご参考まで。

もう一つ。出てきたアイデアを自分で「すぐには殺さない」ようにはしています。つまらないアイデアは、恥ずかしくて即取り下げたくなるのですが、そうしないでみてください。明らかにつまんない時でも、「お、なんか広がんないかな」「延長線上にないかな」
ともう少し先まで芋づるでたぐろうとするイメージです。100%ポジティブで居続けることはかなり六つかしいのですが、だんだんそっちの方向になるといいのではないでしょうか。かとうも途上です。この辺が「自然な習慣」になると強いんでしょうね。
 (かとうまさはる)

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Q013:「使う人」を誰にするか?

Q:「使う人」を誰にするか?
とても漠然とした例え話で恐縮ですが、あるモデルハウスのパンフレットを制作する場合、「使う人の気持ちになって考える」その「使う人」とは
物件を売るセールスマンでしょうか、物件を買うお客さんでしょうか?
  (Mさん)

A:
まず「パンフレット単体で考えることがNG!」です。
詳細は下記参考図書をお読みいただきたいのですが、ものを売る、といった時には「仕組み」があること。これが大事です。
大きくは
1)「集客」(見込み客集め)→
2)「セールス」(見込み客の顧客化)→3)「CS」(顧客のリピーター化)

さらにそれぞれの中でも「(小さな)仕組みの鎖」が必要になります。ここでいう「仕組みの鎖」とは、「それをすることでお客さまがどのように感じ、行動するのか」
「そうした行動がチェーン(鎖)になっている」
こんなつながりがデザインされていることです。

さあ、この視点から上記のご質問を再点検してみましょうか。お分かりのように、お客さまがパンフレットを読んで、次に何をして欲しいのか? 営業マンは、このパンフをどういった場面で、何のために使うのか?
という「仕組み」の全体像と、その中でのパンフレットの役割が不明です。ここらを考える/デザインすることから再スタートです。パンフの役割=目的を把握できたら・・答えは明らかですよね? ちなみにこの辺までが戦略的な話。では目的を達成するために、パンフレットの編集・表現をどうしよう? が戦術、です。このシンプルな仕組みの存在に気が付くまでいったい何年かかったことやら・・とほほ。
  (かとうまさはる)

◇参考図書

『あなたの会社が90日で儲かる!』 神田昌典著・フォレスト出版
『「儲け」を生み出す「悦び」の方程式』 小阪裕司著・PHP研究所

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Q012:ネーミング開発に考具をどう使う?

Q:ネーミング開発に考具をどう使う?
はじめまして。私は企業法務の人間です。その中で私は商標出願スクリーニング・申請・登録を行ってます。今回「考具」に注目したのはずばり、「ネーミング発想法」のヒントを得ることにありました。商標はカタカナ・英文字はまず疑ってかからないと、登録できないことはご承知のとおりです。出願しようとする名前を、手前の段階で何とか類似にならない名前にしないと・・・という切実感から、この本を手に取りました。加藤さんが『考具』をネーミング発想に活用するとするなら、どうしますか?

私は現場にいません。困ったときのアドバイザーという立場です。私の立場からネーミングを考える場合、どうしても商品企画そのものを一からやり直す必要がありました。ネーミング発想の書籍を紐解いても、ネーミングコンセプトをまとめることが一番の近道であると感じてます。ネーミングコンセプトをまとめること=商品企画を考えることと、勝手に結論付けてます。
でもこのやり方だとどうしても時間がかかりすぎてしまいます。そのあたり、近道はないものでしょうか・・・? また、ネーミングもあらぬ方向に行ってしまいそうな気がしてなりません(というか、いってしまいました)。この場合は問いの立て方が悪いのでしょうか?
ネーミング発想特有の問題?
謎は深まるばかりです。
  (Aさん) ※ところどころ省略しています

A:
ネーミング候補を考え始める前に、2つの「しばり」をつくってみてはいかがでしょうか。

その1 スタート時のしばり(展開に際してのしばり)
その2 ゴール時のしばり(収束に際してのしばり)

最初にこの2つをやってから、ネーミング案出しをする。その1 はネーミング候補の源泉をいくつかにしぼること。「開発に至る背景物語」「開発者の熱情」「商品の機能」「商品の特長」「競合商品との決定的な違い」といった本質的なものから、「かっこいい」「横文字」など、軽いものまで、いくつもあると思います。一度それらを総ざらいして、みなで議論。
「これこれからネーミングを考えていこう」という出発点(イコール戻れる原点)を決めてみる。拡げて絞る課程においては考具が役に立つでしょう。続いてその2。
拡がったネーミング候補を絞り込んでいくときの条件も最初に設定してみる。その1、で挙げたものも含めて、「覚えやすい」「ゴロがいい」など。
ぜひ検討して欲しいのが「ユーザーが使ってみてなんて云うか」。七色いんこ、してください。名は体を表す、ということで「パッと聞いて想像できるか」「使ってみて、名前と合ってるね、とうなずけるか」。そんな視点も加えてみてはどうでしょうか。意外な盲点です。

Aさんの本業である「商標登録を通るか」もその2、の重要な条件ですが、これは実際に問い合わせてみないと分かりません。海外事例までは無理ですが、日本国内であれば特許庁のHPである程度のチェックは可能です。最初からおびえるのは止めましょう! アイデア、企画は「わがまま → 思いやり」ですから、まずは「自分たちが一番いいと思う名前」から始めたらどうでしょう?

その1&その2を最初に(ある程度であっても)絞っておけると、アイデアが爆発すると思います。
水道ホースよろしく、出口が狭い方が勢いよく出てきます。ネーミング候補案じたいの展開の仕方は、まさに考具のフル出動。お気に入りを総動員して、徹底的に出しまくりましょう。いろいろネーミング案を出しながらも、着地点もちらりと視界に入っている。そんな感じで作業を進めてみてください。プロダクトを作る側のこだわりと、それを使うユーザー側の気持ちがバランス良く配分されるのではないでしょうか?

そしておそらく、その1&その2を議論していくと、その結論が「マーケティング上の商品コンセプト」にかなり近くなるはずです。本当なら「商品コンセプト」→「ネーミング」でしょうけれども、こんな調子でごった煮で固まっていく、そしてある一瞬に「これだ!」
(あるいは「これや!」)・・・みんながウンウンと頷く答えが共有される・・・ちょっと美しすぎますか?(笑)
  (かとうまさはる) 

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Q:011 どうやって現場を取材する?

Q:どうやって現場を取材する?

(前略)
ところで質問なのですが考具その6の"臨時新聞記者"で臨時の「新聞記者」になって、現場に行き取材をするという箇所なのですが。
私も現場に行って、取材をすることは大事であることは分かるのですが、新規事業を開発するために現場に取材することって、言うなれば既存事業の方にお話に伺うことですよね。

既存事業の人にしてみたら、ライバル会社になるかもしれない人にそう簡単にあれこれ教えてくれないのですが。
例えば、広告事業を新規事業として検討する時に、既存の広告会社にお話を聞きに行っても教えてくれないと思うのです。
そういう場合、何か現場を知るための極意みたいなのはありますでしょうか?
(熊本のSさん)

A:
取材の妙。確かに六つかしいです。
決定版のゴールデンルールはないと思います。
新聞記者さんが事件取材で疑惑の渦中にいる本人へコメントを取りに行くのは「取材の最後」である、と聞いたことがあります。
それまでに既存情報や周辺の取材を行い、自らの仮説や、聞くべき質問のポイントを絞り込んでから、本人のところに行く。
長々とした返事ではなく、自分の仮説を「・・ですね?」とぶつけて、YES/NOだけを聞く。そんなイメージ。

なので既存事業のライバルからあれこれ全てを聞くのではなく、ひとつか二つを絞って聞く、なんてのはどうでしょうか。
オープンになっている情報からも得るもの/自分や自社が知らなかったことも多いと思うのです。

また、他の現場から自分が必要としている本質的な情報が得られることはありませんか? 自社にとっての「新しい」が他業態にゴロゴロしていることは結構あるはずです。脇見する視点もお持ちください。

斉藤孝さんの『質問力−話し上手はここがちがう』(筑摩書房)には、優れたインタビューのケーススタディが載っています。
取材力をつけよう、と思われる方、ぜひ参考にしてください。
(かとうまさはる)