Q029:何を最初に考える?

Q:何を最初に考える?
私は現在開発部商品企画課に所属していますが、(はや2年が過ぎ)今までに思いついたアイデアと言えば、すべていままでに思いつかれている(考案されている)商品ばかりでした。正直頭打ちの状態にいます。どちらかというと、マーケティング(数値や理論)を基本として、ものごとを考えていくクセ(習性?)があり、どうしても何らかの理由付けがないと商品を企画できないところがありました。マーケティング(とくに数値)にとらわれすぎたあまり、思い切った発想(私的な表現をしますと、「おばちゃん」的発想とでも言いましょうか)を出せずにいた自分がいます。

企画とはマーケティングが先で、発想があと。または発想が先で、マーケティングがあとの両方の考え方があると思いますが、加藤さんはどのようにお考えでしょうか?
加藤さんの本に出合えて本当に嬉しく思います。少しは裏づけのない(マーケに基づかない)発想を出せるようになった自分がいます。
  (岐阜県 Oさん)

A:
まず、マーケティングの定義からスタートするべきかのかも知れません。
各センセイごとにいろんな定義がありますが、要するに「売れてナンボ」なんですよね。調査、数値、理論だけ、ではないはずです。メールでおっしゃっている「マーケティング」とは・・・データ、市場の原則、のような与件的条件または市場の現状のことだと判断して以下参ります。

与件が先か、アイデアが先か。
これはやり方の個性だと思います。
どっちでもよくて、結果として素敵なアイデア、行けそうな企画にたどり着けば万々歳。がわたしとしての主張なんですが、実施している「ワークショップ考具」などで拝見していますと、やはり与件を重視しすぎてその枠にがんじがらめ(って最近云わないですね)になってしまう方が多いような気がします。

「ワークショップ考具」では
1)ある程度与件を意識した上で
2)いったん離れてもらって、おバカアイデアを沢山考えてから
3)もう一度与件を思い出して、企画の核になるアイデアを選んでもらうスタイルを取っています。このスタイルを取る訳は、「心のハードル」を下げるためです。大概みなさん「心のハードル」が相当高いです。もっとチャンとしたことを書かないと・・と勝手にハードルを上げています(※)。いきなり企画を考えようとするのも同じですね。企画(のコア)は沢山あるアイデアから選ぶもの、です。当然選ぶのは出してから。それなのに最初っから企画を考えたらイカンのです。

それからワークショップでは「わがまま→思いやり」の順番をしつこいほど繰り返しています。思いやり、とは与件から始めてしまうこと。ここから始めてしまうとアイデアが飛びません。わがままが先、です。飛んでしまったアイデアをなんとか与件の枠に引き戻すやり方をした方が
楽しいアイデアを選び、企画化することができるんです。もうまったく裏付けのない発想をたくさん出し、その中から与件も考えても筋の良さそうなヤツを選び出し、あれこれ工夫し与件に合致させて「企画」にする、これです。

それに、いっくら裏付けがない、ったってそうそう与件からは外れません。ニンゲンの脳ってその辺はうまくできているみたいです。もっと「心のハードル」を下げて、ドカンと行っても大丈夫です。ホントに。
   (かとうまさはる)

※・・再度『考具』66p、96pあたりを見直してください。相当くだらないですよ。
   そんなのを20個ぐらい書き殴っていると、ポッと出てくるんです、アイデアが。