■notes024 ブレストを豊かにするための脳内SCM・試案。

ブレーンストーミング(略してブレスト)で怖い瞬間。
それは無言タイム≒アイデアが止まること。

最近流行のワークショップ(WS)でも、同じ事があります。WS中にブレストをすることが非常に多いからです。ブレスト、ということで、いろんなアイデアやケーススタディなどをひたすら参加者が出していくことになりますが、ここでみんなの口が止まる、手が止まると厳しい。一度静かになってしまうと、場としての発展性も失われてしまいそうになります。

しかし実際のところ、手が止まってしまったといっても頭の中までがすっかり空っぽな訳ではありません。他の人の「サンプル」を聞けば、ああそうだ、と共感をしてくれるケースがほとんど。

単純に脳の奥底にある記憶が引き出せずにいるだけなのです。この壁を乗り越えるためのヒントは「ブレスト≒会議中であっても、"個人の時間"を作ること」だと睨んでいます。

具体的には2つほどの処方箋をあることに気が付きました。
1つめは 質問の出し方を変えること。コーチング/ファシリテーション的なやり方です。人間は不思議なモノで、聞かれ方が変わると急に答えを思い出したりします。例えば「最近面白かったことありますか?」と聞いても出てこない場合に「ここ24時間以内で面白かったことは何ですか?」「お年寄りが見たら面白い、と感じるようなことはないでしょうか?」と、WhenだったりWhoだったりと5Wのどれかをずらす、絞り込んでより具体的に想像しやすいカタチで問いかけ直してみると、記憶がつながるキッカケになったりします。新しく問いかけられると、フッと自分一人になる瞬間が発生します。個人の時間をつくる一つのやり方です。

そして2つめは 半強制的なツールを使う方法。これはある程度明確に個人作業の時間を設けることです。拙著でもいくつかご紹介していますが、ポストイットを使ったり、マンダラートを使ってみたりということです。ツールそのもののデザインのチカラも借りながら、記憶を引きずり出す手助けをします。この時も個人の時間を確保することでいったん場の流れを断ち切ってアイデアを出しやすくする環境を整えてしまおう、という考え方ですね。

所詮、アイデアとなるための「既存の要素」は、個人の記憶に蓄積されている何かであることがほとんどです。普段からあれこれ想いをめぐらす習慣(というか癖?)をもっている人は、いざブレストになってもそのまま対応できるのですが、慣れていないとスッとは入れません。

あるいはすぐに脳内在庫が(一見、ですが)捌けてしまうのです。やや強引ながら例えると、ブレストを豊かにするための、脳内SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)。そんな視点と仕組みとがあると、ブレスト運営の六つかしさが楽になるような気がしています。