Q027:アイデアの「質」を上げるために心がけることは?

Q:アイデアの「質」を上げるために心がけることはありますでしょうか?
はじめまして。
「考具」を読ませていただき「すばらしい本にめぐり合えた」と思い、御礼を申し上げたくメールを打っております。特に私にとってありがたかったのは、考える上での「マインドセット(心の持ちよう)」と考える上での「ツール(道具立て)」の両方が書かれていた点です。前者だけですと「心構えはわかったけど実際どうするのさ?」となりますし、後者だけですと「この道具、切れ味は大したことないな」というきめ付けをして使うことをあきらめていたと思います。どうもありがとうございます。

「考具」を使った私なりの発見は以下の点でした。
発見1 とにかく集中してアイデアを30個考える、という具合に自分を強制すると、
アイデアの良さ・面白さはともかくとして「以前の自分だったらまず思いつかなかった」というアイデアは30個中、3つくらいは出てくる。
これは新しい発見でした。考えてみれば当たり前ですが、「頭を使い続ける」と今までとは違う発見ができる、ということですね。
これは新鮮な体験なので、新鮮さが薄れないうちに、習慣化していきたいと思っています(個人的には「アイデア道場」と呼んでます)。

発見2 思いついたアイデアは書き留めておこうと思うと、普段から「ふと」アイデアが出てくることが意識され、エンカレッジされるということです。今はまだメモする習慣が定着していないため、
「あ、さっきなんか思いついたのに忘れてしまった」なんていうのもいくつかありますが、根気強くアイデアを出す習慣づけをしていきたいと思っています。私自身は、普段は外資系の経営コンサルティング会社に勤めており、隔週でビジネススクールで「論理的思考」のクラスの講師をやっていますので、「考える」ということについて多少わかっているつもりでおりましたが、仕事面では「論理的に考える」みたいなことばかりを強調しすぎて、自分の自由な発想を勝手に却下していたな、
と反省しました(論理的に・・・ということばかりやってると、だんだんとアウトプットがつまらなくなっていくんですよね。「考具」を読んでその理由の一端がわかった気がします)。

さて、長い前置きですみません。一つご質問があります。
質問:アイデアの「質」を上げるために心がけることはありますでしょうか?

今の自分の状態は、「とにかくアイデアを30個考える」みたいなことを自分に強制することで、「面白いかどうかはともかく、今までよりはアイデアがたくさん出るようになった」ということだと思っています。ただ逆に、「つまらないアイデアを粗製濫造しているだけでは?」という素朴な疑問を感じるときもあります。
「面白い!」と思える自作のアイデアにはなかなか巡り合いません。アイデアの質を上げるためには、例えば「面白いアイデアがX個出るまでやめない」みたいな方法がよいのでしょうか?

「面白いと思うアイデアがないということは、アイデアの絶対数が足りない(量が質を規定する)」ということでアイデアの「ノルマ」を増やすべきなのでしょうか?
それとも「何がしか続けていけば、アイデアの質も上がってくる」というものでしょうか? 抽象的な質問ですみませんが、加藤さんの体験をお聞かせいただけるとありがたいです。
  (Kさん)

A:
理想を云えば、「面白いアイデア10個縛り!」などが好いと思いますが、そうしているといつまで経ってもプレゼンすらできません(笑)。
現実的には時間ギリギリまで考えたところから、最良(最適)だと判断できるアイデアを企画化していく事になると思います。先にも書きましたが、これじゃあなあ・・との思いを払拭できずにその日を迎えてしまうこともあるかも知れません。この問題については自分の打率目標をどこに置くか、がベンチマークになるでしょうね。もちろん10割・連戦先勝、と行きたいところですが現実はそれほど甘くはありませんよね。競合相手、そして自分自身に勝ったり負けたりなのが実際なのだと思います。

残念ながら仕事をしていると、毎日が試合・・ぐらいな感じです。キャンプを張ることもままなりません。
しかし数を大量にこなしていくうちに「当たり」は微妙に感じ取れるようになってくると思います。「これなら通るな」というカンです。
ただ最初から「当たり=ハイクオリティ」とは必ずしも云い切れません。

それから出てきたアイデアがそのまんま「ご採用」になることは割合少ないでしょう。アイデアの一部分、一欠片だけが面白い、という手応えがだんだんと出てくる感じです。でもそうしたらしめたもの。あとは組み合わせですから。とはいえ、練習(=アイデアの数を出すこと)を積んでいれば、
ある程度のクオリティを持つアイデアがポロッと、あるいはギリギリのところで出てくるようになると思います。いくつアイデアを出したらそうなるのか、は誰にも分かりません。またお題によって打率が大きく変動したりして・・・。課題は年々複雑になり、アイデアが求められるジャンルも広がる一方。
永遠に続く自分との戦い、です。
  (かとうまさはる) 

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