Q012:ネーミング開発に考具をどう使う?

Q:ネーミング開発に考具をどう使う?
はじめまして。私は企業法務の人間です。その中で私は商標出願スクリーニング・申請・登録を行ってます。今回「考具」に注目したのはずばり、「ネーミング発想法」のヒントを得ることにありました。商標はカタカナ・英文字はまず疑ってかからないと、登録できないことはご承知のとおりです。出願しようとする名前を、手前の段階で何とか類似にならない名前にしないと・・・という切実感から、この本を手に取りました。加藤さんが『考具』をネーミング発想に活用するとするなら、どうしますか?

私は現場にいません。困ったときのアドバイザーという立場です。私の立場からネーミングを考える場合、どうしても商品企画そのものを一からやり直す必要がありました。ネーミング発想の書籍を紐解いても、ネーミングコンセプトをまとめることが一番の近道であると感じてます。ネーミングコンセプトをまとめること=商品企画を考えることと、勝手に結論付けてます。
でもこのやり方だとどうしても時間がかかりすぎてしまいます。そのあたり、近道はないものでしょうか・・・? また、ネーミングもあらぬ方向に行ってしまいそうな気がしてなりません(というか、いってしまいました)。この場合は問いの立て方が悪いのでしょうか?
ネーミング発想特有の問題?
謎は深まるばかりです。
  (Aさん) ※ところどころ省略しています

A:
ネーミング候補を考え始める前に、2つの「しばり」をつくってみてはいかがでしょうか。

その1 スタート時のしばり(展開に際してのしばり)
その2 ゴール時のしばり(収束に際してのしばり)

最初にこの2つをやってから、ネーミング案出しをする。その1 はネーミング候補の源泉をいくつかにしぼること。「開発に至る背景物語」「開発者の熱情」「商品の機能」「商品の特長」「競合商品との決定的な違い」といった本質的なものから、「かっこいい」「横文字」など、軽いものまで、いくつもあると思います。一度それらを総ざらいして、みなで議論。
「これこれからネーミングを考えていこう」という出発点(イコール戻れる原点)を決めてみる。拡げて絞る課程においては考具が役に立つでしょう。続いてその2。
拡がったネーミング候補を絞り込んでいくときの条件も最初に設定してみる。その1、で挙げたものも含めて、「覚えやすい」「ゴロがいい」など。
ぜひ検討して欲しいのが「ユーザーが使ってみてなんて云うか」。七色いんこ、してください。名は体を表す、ということで「パッと聞いて想像できるか」「使ってみて、名前と合ってるね、とうなずけるか」。そんな視点も加えてみてはどうでしょうか。意外な盲点です。

Aさんの本業である「商標登録を通るか」もその2、の重要な条件ですが、これは実際に問い合わせてみないと分かりません。海外事例までは無理ですが、日本国内であれば特許庁のHPである程度のチェックは可能です。最初からおびえるのは止めましょう! アイデア、企画は「わがまま → 思いやり」ですから、まずは「自分たちが一番いいと思う名前」から始めたらどうでしょう?

その1&その2を最初に(ある程度であっても)絞っておけると、アイデアが爆発すると思います。
水道ホースよろしく、出口が狭い方が勢いよく出てきます。ネーミング候補案じたいの展開の仕方は、まさに考具のフル出動。お気に入りを総動員して、徹底的に出しまくりましょう。いろいろネーミング案を出しながらも、着地点もちらりと視界に入っている。そんな感じで作業を進めてみてください。プロダクトを作る側のこだわりと、それを使うユーザー側の気持ちがバランス良く配分されるのではないでしょうか?

そしておそらく、その1&その2を議論していくと、その結論が「マーケティング上の商品コンセプト」にかなり近くなるはずです。本当なら「商品コンセプト」→「ネーミング」でしょうけれども、こんな調子でごった煮で固まっていく、そしてある一瞬に「これだ!」
(あるいは「これや!」)・・・みんながウンウンと頷く答えが共有される・・・ちょっと美しすぎますか?(笑)
  (かとうまさはる) 

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